「お小遣いをキャッシュレスで」親も子も賛成が多数派 - 最大の不安は?
2025年5月20日(火)16時47分 マイナビニュース
TISは5月20日、「親子のキャッシュレス調査」の結果を発表した。調査は2025年3月7日〜2025年3月7日、キャッシュレス決済を利用している親世代(20-69歳)と、子世代(15-19歳)計700名を対象にインターネットで行われた。
○子どもが利用する上で安全な決済手段は?
子どもがお金を利用する手段として、「キャッシュレス決済(交通系ICカード/バーコード決済/プリペイドカード/デビットカード/クレジットカード/スマートフォン決済)」が最も安全と回答した人は全体の57.9%で、「現金」の41.6%を上回る結果に(全体 n=700)。なかでも20代の若い親世代では「現金」の回答は22.0%と、キャッシュレス決済派の傾向が強いことがわかった(20代 n=100)。
さらに、家庭でキャッシュレス利用に関する教育をしていない家庭では安全な決済手段を「現金」とする回答が50.5%と高い一方(キャッシュレス利用に関する教育は受けていない/行っていないと回答した10〜60代 n=214)、キャッシュレス利用に関するセミナーや勉強会に参加している家庭では「現金」は29.1%にとどまるなど(キャッシュレス利用に関するセミナーや勉強会に親子で参加していると回答した10〜60代 n=55)、教育の有無による差がみられた。
また、キャッシュレス決済の利用開始年齢の平均は13.3歳となった(全体から不明と回答した人を除く n=603)。
○"キャッシュレスお小遣い"が定番化?
キャッシュレスでお小遣いをもらうこと/あげることに「賛成・どちらかというと賛成」が全体で58.9%と、「反対・どちらかというと反対」の13.1%を大幅に上回り、どの年代も賛成派が反対派を上回った(全体 n=700)。また、20〜30代の親世代では、賛成派が6割超えの結果となった(20代 n=100、30代 n=100)。
賛成の理由としては、10代の賛成派の60.9%(「賛成」or「どちらかというと賛成」と回答した10代 n=138)、親世代の賛成派の52.6%(「賛成」or「どちらかというと賛成」と回答した20〜60代 n=274)が「お金を渡される/渡す際や、(子どもが)支払いの際に便利なため」と回答。20代の親に絞ると「金銭管理などで子どもの金融教育に役立つため」が理由と回答した方が最多で49.2%と、若年層の親の金融教育への意識の高さがうかがえる(「賛成」or「どちらかというと賛成」と回答した20代 n=63)。
○ひと月にキャッシュレス決済で渡してもよい許容額
親世代の子どもが各年代と想定したときに、ひと月にキャッシュレス決済で渡してもよいお小遣いの許容額は、小学生低学年:949.9円、小学生高学年:1,899.0円、中学生:3,482.5円、高校生:6,703.7円という結果に。小学生低学年でも平均で949.9円が許容範囲となっており、10歳未満の子どもにもキャッシュレス決済の利用が許容されていることがわかった(20〜60代 n=500)。
○キャッシュレスでの不安要素
親世代にとって子どもがキャッシュレス決済を利用する上での不安要素として「金銭感覚が身につかないことへの懸念」34.0%、「子ども同士の金銭の貸し借り」33.0%、「親の許可を得ていない買い物」32.8%、「アプリやゲームへの課金」32.0%が挙がった(20〜60代 n=500)。
一方で、キャッシュレス決済が浸透することで、子どもの金銭感覚に「良い影響があると思う/やや良い影響があると思う」との回答が45.8%と、「悪い影響があると思う/やや悪い影響があると思う」との回答14.4%を大きく上回る結果に(20〜60代 n=500)。
子どものキャッシュレス決済利用が金銭感覚に与える影響に対しての不安がありつつ期待もあるという、キャッシュレス決済定着に向けた過渡期のなかでの実態が浮き彫りになった。
○キャッシュレス教育の必要性
全体で約7割(69.0%)が家庭内でのルール決めや話し合い、外部セミナーへの参加などの「キャッシュレス利用に関する教育は必要」と回答し(全体 n=700)、多くの人が子どものキャッシュレス決済利用に関する教育が必要であると考えている実態が明らかになった。
また、親世代が家庭内でキャッシュレス利用に関する教育を行っているかについては、26.8%が「キャッシュレス利用に関する教育は行っていない」と回答。教育をしている親は73.2%となり、そのうち「使い方のルールを決めている」親が30.4%、「お金の価値や金銭感覚について話している」親が30.0%となり(20〜60代 n=500)、家庭での教育も一定数なされていることがわかった。
さらに、20代の親では、5人に1人が「キャッシュレス利用に関するセミナーや勉強会に親子で参加している」と回答しており(20代 n=100)、若年層の親ほどキャッシュレス利用に関する教育への意識の高さがうかがえる。
○キャッシュレス教育はいつから必要か
キャッシュレス利用に関する教育はいつから必要だと思うかについては全体で「小学校」が54.2%と最多、次いで「中学校」が32.3%という結果となり(キャッシュレス利用に関する教育は必要と回答した10代〜60代 n=483)、キャッシュレス決済の利用開始年齢の平均13.3歳(全体から不明と回答した方を除く n=603)よりも早い段階での教育が求められている。
一方で、学校の授業でのキャッシュレス利用に関する教育を「とても十分だと思う/まあ十分だと思う」と回答した人は全体で20.7%にとどまる結果となり、まだまだ十分であるという認識は得られていないようだ(10代全体と、6歳以上の子どもがいる20〜60代 n=595)。