無印良品のバウムが「不揃い」な理由は? “揃ったバウム”も売っていますか?【元無印社員が解説】
2024年5月24日(金)21時25分 All About
無印良品店舗に務めていた、元社員が解説します。
(今回の質問)
不揃いバウムって何故不揃いなんですか? 揃ったバウムはどこで売ってる?
(回答)
バウムをつくる過程で、どうしても焼き色や形は不揃いになってしまうもの。おいしさは変わらないのに見た目から捨てられる……そんな「もったいない」をなくすため「不揃い」なものも含めて売ろうとしたのが「不揃いバウム」誕生のきっかけです。つまり、揃ったものもあれば「不揃い」なものも店頭にあります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
無印良品のバウムが「不揃い」な理由は?
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20年以上前から発売されている無印良品のスティック型のバウムクーヘン。商品名に「不揃い」がつくようになったのは、2017年以降とされています。
無印良品の基本となる考え方はブランド創生以来、大切に守られています。時代が変わっても、環境や社会に配慮した3つの視点である「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」が意識されているのです。
このなかでも、バウムと強く結びついているのが「工程の点検」の部分。商品の質に関係ない無駄な作業を省き、必要な工程だけ生かす考え方です。
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かつて、焼き上げる際に形が崩れてしまう両端や焼きムラのある部分、表面の凸凹など、見た目が不揃いなものは弾かれていました。
さらなるコストダウンの打開策として、おいしさは変わらないのに見た目のために捨てられているバウムを端まで商品として生かしたのが「不揃いバウム」です。
いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの無印良品にも売上が低迷した時期がありました。当時「安かろう悪かろう」「無印の時代は終わった」など揶揄(やゆ)されたにもかかわらずV字回復。
皆に愛される無印良品のものづくりはこうした部分にも現れているのかもしれませんね。
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ちなみに、無印良品のバウムは筒状のバウムクーヘンを棒状にした上で、さらにそれを横に等分してスティック状にしています。
そのため、焦げ目や色ムラが目立つものもあれば、一切ないきれいなものもあります。それらを区分せずに「不揃い」と「不揃いでない」が無印良品の店頭に並べられているのです。
いくつ知っている?「不揃いバウム」の仲間たち
そんな無印良品のバウムは食品の中でも人気の高いシリーズ。今では期間限定のフレーバーだけでなく、さまざまな大きさや種類が販売されています。今回はなかでも特徴的なものをご紹介!
ちいさなバウム(各税込120円)
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2024年1月に加わった新顔のバウム。フレーバーを試しやすく、おやつなどにも食べやすい約半分のサイズで販売されています。
約200キロカロリーなのもうれしいポイント。ちなみに、6種の味のうち「バナナ」「紅茶」「はちみつ」の3種は通年、残りの3種は期間限定で季節ごとに味を変えて発売予定です。
特大バウム(税込999円)
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インパクト大なこちらは、デコレーションが楽しめるよう大きめにカットされたプレーン味のバウムクーヘン。紙製の芯はバウムとくっついていないため簡単に取れます。
なんと、スティック状の「不揃いバウム」約9本分。そう考えるとちょっとお得かも……? クリスマスシーズンには、無印良品の店頭でスタッフにより愛らしくデコレーションされた特大バウムが見られるかもしれません。
大切な考え方は変えず、味はアップデートを重ねて愛されてきた無印良品のバウム。ぜひ店頭で気になる商品をチェックしてみてください。
この記事の筆者:花輪えみ プロフィール
千葉県出身。都内の無印良品3店舗で勤務経験があり、うち1店舗では副店長を務める。勤務時は食品や生活雑貨を担当。良品計画退職後はライター/編集者として活動し、記名ライター歴8年目を迎える。女性向けサイト編集、兼業ライターを経て現在フリー。趣味は散歩。
(文:花輪 えみ)