4食分をまとめて調理。「常備菜」より「ベース菜」を。70代の壁を乗り越える《5つの手抜き料理法》とさまざまな料理に使える「ベース菜」簡単レシピ

2024年6月1日(土)12時30分 婦人公論.jp


(撮影:山田耕司/背景イラスト:illust AC)

テレビ番組で紹介したレシピが簡単でおいしいと評判を呼んだ、《スーパー主婦》こと足立洋子さん。「食事作りはラクに効率よく」を実践する料理家が、コツとワザを伝授します(構成=福永妙子 撮影=山田耕司 イラスト=宮下和)

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ストックして活用するサイクルを作る


2人の子どもを育て上げたあと、53歳の時に夫が急逝し、以来、ひとり暮らし歴20年です。面倒くさがりで、時間に追い立てられるのが嫌いな私は、食事作りはラクに、効率よくと考えています。

もちろん、味がいまいちでは意味がありませんから、「おいしい」は大前提です。それは家族と暮らしていた時も今も変わらず、年齢を重ねるにつれ、無駄の省き方、手の抜き方が磨かれてきたように思います。

たとえば私は、その日の食事を一から作るということはほぼしません。急に「餃子が食べたい」などと思い立って作ることは時折あるものの、基本は、3〜4人分を一度に作って冷蔵庫や冷凍庫で保存しておいた、〈いつかの自分の料理〉を使います。その時の気分で選び、温め直してワンプレートに盛ったり、少しだけ手を加えて食べたりするのです。

こうした、少し多めに作った料理をストックして活用するサイクルを、かれこれ40年以上続けています。毎日手間ひまかけなくても、工夫をすればおいしい料理は食べられる。まずは、私が実践しているストック料理のポイントをご紹介しましょう。

《その1》4食分をまとめて作って保存する


買い物に行くのは、基本的に週に1度だけ。そうして買ってきた食材で、揚げ物、煮物、炒め物、副菜、漬物など、食べたいものをいくつか作ります。

ポイントは4食分くらいの分量をまとめて調理すること。1食をその日に食べ、3食分は小分けにして冷蔵・冷凍保存するのです。このくらいの分量が、後日また食べる時でも味に飽きることなく、賞味期限も気にならない秘訣だと思います。

注意が必要なのは、冷凍保存に不向きな食材があるということ。肉は基本的に問題ありませんが、水分の多い野菜は適していません。ですから、ハンバーグは冷凍、肉野菜炒めなどは冷蔵と、料理の種類によって保存方法を変えています。

また、鮭や鯖など脂の多い魚は焼いたものを冷凍してもおいしいので、多めに焼いて1切れはその日に食べ、残りは身をほぐして小分けに冷凍。後日、鮭や鯖のチャーハンにしたり、きゅうりや大葉と一緒に手巻き寿司の具にしたりしています。

ただし鱈など脂の少ない魚は、焼いてから冷凍するとパサパサになり味が落ちてしまうため、食べる日に調理。ちなみに私は、ご飯も一度に4合炊いて、1食分ずつ冷凍しています。

《その2》常備菜より、「ベース菜」と自作調味料を


食卓のお助けメニューといわれる常備菜。定番の切り干し大根、ひじきやかぼちゃの煮物などは私もよく作りますが、味が完成しているため、毎日食べると正直、飽きてしまいます。

そこで私が実践しているのが、「ベース菜(半調理品)」。最低限の味付けしかしていないため、さまざまな料理に応用できる優れものです。

たとえば煮物のイメージが強いひじきも、水で戻した乾燥ひじきを、サラダ油、酢、醤油、塩、こしょうのドレッシングに漬けておけば、きゅうりやピーマンと和えてもよし、鰹節をかけて食べてもよしと、汎用性が生まれます。

ほかにも、大根やきゅうりを切って塩を振っただけの「ひと塩大根」「きゅうりのさっぱり漬け」を作っておけば、食べる時に梅干しやマヨネーズ、しょうがやごま油で和えると、味の異なる一品の完成です。

わが家の冷蔵庫にいつもあるベース菜の「玉ねぎのドレッシング漬け」と「四川の素」、これだけで味が決まる自作調味料の「てりたれ」と「甘酢」のレシピを記事の後半で紹介していますので、作ってみてください。

その便利さとおいしさに、驚かれる方も多いはずです。

50年作り続けている定番!
【玉ねぎのドレッシング漬け】



【玉ねぎのドレッシング漬け】

●材料(2カップ分)

・玉ねぎ…1個
・A
 ・酢…大さじ1・1/2
 ・サラダ油…1/4カップ
 ・塩…小さじ1・1/2
 ・こしょう…少々

●作り方

(1) 玉ねぎは薄切りにして、さっと水にさらし、水気を絞る。

(2) ボウルにAを入れて混ぜ、(1) を加えて軽く混ぜ合わせる。ガラス製の保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。(約1ヵ月保存可能)

●おすすめの食べ方

玉ねぎのドレッシング漬けにツナ、マヨネーズを合わせて食パンにのせ、チーズをかけてオーブントースターで焼けばオープンサンドに。
ポテトサラダに加えても、ちくわと鰹節と和えても、コクが出ておいしいですよ。

汎用性に優れた料理の救世主
【四川の素】



【四川の素】

●材料(作りやすい分量)

・豚ひき肉…500g
・長ねぎ(粗みじん切り)…1本
・しょうが…1かけ
・にんにく…1かけ
・サラダ油…大さじ1/2
・豆板醤…大さじ1
・A
 ・醤油…1/4カップ
 ・酒…大さじ2
・ごま油…大さじ1

●作り方

(1) しょうが、にんにくはみじん切りにする。

(2) フライパンにサラダ油を強めの中火で熱し、ひき肉を焼きつける。自然にほぐれ始めたら、裏返して完全に火を通す。

(3) 豆板醤を入れて炒め合わせる。(1)を加え、全体になじんだらAを入れる。仕上げに、長ねぎとごま油を加えて味をなじませる。3等分し、保存袋に入れて冷凍庫で保存する。(約1ヵ月保存可能)

●おすすめの食べ方

冷蔵庫で解凍後、鍋に適量の水とともに入れて温め、豆腐や春雨を加えて片栗粉でとろみをつければ、麻婆豆腐や麻婆春雨が完成!
もちろんシンプルにレタスで巻いて食べても、うどんにかけても食べ応えがありますよ。

後編につづく

婦人公論.jp

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