暑さを乗り切るための胃腸ケア

2023年7月10日(月)11時10分 ココカラネクスト

 今日は暑さを乗り切るための胃腸の養生法についてお話ししていきたいと思います!!

 蒸し暑い季節は、特に胃腸の不調を感じやすい時期。夏バテなどで体調を崩さないためにも、この時期から胃腸を健やかに整えて元気に夏を過ごしましょう。

「湿」と「冷え」が胃腸の不調を引き起こす
 中医学では、自然界には季節特有の邪気があり、この邪気の侵入が病気の原因のひとつであると考えます。
 邪気には「風(ふう)・寒(かん)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・火(か)」の6種類がありますが、夏は暑邪(しょじゃ)が体内に侵入しやすくなる季節です。暑邪は燃えるように熱いという性質を持ち、同時に湿邪(しつじゃ)を伴うことが特徴です。

 梅雨から夏に感じることの多い胃腸の不調は、主に湿邪が原因となっています。五臓でいう脾(ひ)(消化吸収をコントロールする臓器)には「湿を嫌い、燥を好む」という性質があります。水分の摂り過ぎや、湿邪の侵入により、体内に湿(余分な水分)が溜まると胃腸の働きが低下し、食欲不振や下痢・吐き気・胃もたれなどの症状が現れます。

 また、冷たいものの摂り過ぎは胃を冷やすため脾の機能を低下させるので、水分代謝が滞り体内に湿が溜まる原因に。
 たくさん汗をかく夏はしっかり水分補給をすることが大切ですが、冷たい飲み物はなるべく控え胃腸に負担をかけないよう心がけましょう。

【関連記事】「夏バテしたらスタミナつけるは間違い!?」医師が教える本当に有効な「夏バテ」対策とは

 胃腸は、食べ物を消化吸収して栄養を全身へ行きわたらせるという、健康を保つ上でとても重要な役割を担っています。
五行学説では「脾は肺を育てる」関係にあたるため、夏に胃腸を養生することで、秋に現れやすい不調(皮膚や髪の乾燥、空咳など)を予防することにもつながります。
 暑さを元気に乗り切り、秋を健やかに過ごすためにも本格的な夏を迎える今からしっかり胃腸の養生をしておきましょう!!

■「食事の摂り方」が招く不調
湿(しつ)の溜まりやすい食生活に注意

冷たいものや生ものを必要以上に摂ると、胃腸の働きが弱まり、体内に余分な水分である「湿」が停滞してしまいます。
夏場は食卓に刺身や冷奴、サラダ、そうめん、そばなど冷たい料理が並ぶことも少なくありません。食事中に冷たいお茶やビールなどを飲むと、胃腸はますます冷えて働きが弱まってしまいます。冷たいものはなるべく控えめに、そして冷奴など冷たい料理には胃腸の働きを整える生姜やねぎ・しそなどの薬味を添え、体内に湿を溜めない工夫をしましょう!

栄養豊富な食事もかえって負担に…

食欲の落ちやすい夏には、食欲を促進する激辛や味の濃い料理を選びがちですが胃腸には大変な負担がかかります。
お祭りや暑気払いなどで外食をする時も、できるだけあっさり味を選び胃腸の疲れからくる夏バテを防ぎましょう。
日本のお米を中心とした和食は、日本の季節にあった最適の食養生法です。
栄養価が高い欧米風の食事は消化に負担がかかるため、かえって胃腸の働きを弱める原因ともなります。
胃腸の不調が現れやすい夏こそ食事の重要性を考えたいものですね。

■「冷え」からくる不調
体内の陽気を消耗させる冷えに注意

中医学では、春から夏は「春夏養陽」といって体内の陽気(身体を温める働きをする)を養うことが養生の基本。
しかし、夏でも冷房や冷たいものの摂り過ぎで身体が冷えることが多く体内の陽気を消耗してしまうことも…。
こうした陽気不足から体内に冷えが生じ、胃腸の働きにも影響して不調を引き起す原因となります。
冷えは血行を悪くさせ、痛みやしびれなどの症状を引き起こすことになりますので、夏でも体内の陽気を守り血行を良くすることを心がけましょう。

■「胃腸虚弱」からくる不調
慢性的な胃腸の虚弱が、身体全体に影響

もともと胃腸の働きが弱い人にとって、夏はいつも以上に疲れやすくツライ季節です。中医学では「脾胃(ひい)(消化器系)は後天(こうてん)の本(もと)」と言い、胃腸が飲食物を消化吸収することにより、生命を支える「気(き)」「血(けつ)」を生むと考えます。胃腸の働きが弱いと、他の臓器の働きにも影響し、全身の不調や体力不足、免疫力の低下にもつながります。夏からの胃腸虚弱により、秋から冬にかけては風邪をひきやすくなることも。日ごろから胃腸の働きを良い状態に保つよう心がけましょう。

夏を乗り切る暮らしの養生
1. 胃腸を冷やさないよう、夏でも温かい料理や飲み物を。お茶は麦茶よりも「ジャスミンティー」や「緑茶」がおすすめ
2. サラダや冷奴などの冷たい料理には、「みょうが・しそ・生姜」など冷えをやわらげる薬味でひと工夫
3. 食材が傷みやすい梅雨から夏は、冷蔵庫を過信せず、なるべくこまめに買い物を。食中毒の対策としても有効です
4. 一日の終わりは湯船につかってのんびり。冷房で冷えた身体が温まり、血行促進にも効果的
5. 朝は胃腸を整える「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」、夜は陰陽バランスを整える「生脈散(しょうみゃくさん)」を。中国では一般的な、夏の健康習慣です !

[文:meilong スタッフ]


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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

meilong 院長・石川美絵(いしかわ・みえ)

大学では栄養学を学びテレビ局、IT企業、広告代理店などに勤務し、20代後半時の大きな人生の挫折から東洋医学の世界に出会う。鍼灸と漢方の奥深さに魅かれ鍼灸学校に入学し国家資格鍼灸師免許を取得。学生時代は40院の経営兼柔道整復師・鍼灸あん摩指圧マッサージ師でもある先生のアシスタントをし、国家資格取得後、北京中医薬大学卒でもある鍼灸30年の先生から技術を取得する。さらに美容鍼灸のパイオニアに師事し、世界で活躍する日本鍼灸の技術に刺激され研究を重ねる。さらに200件以上の治療院・クリニック・スパ・エステなどを周る。ホテル椿山荘の鍼灸治療施設「KENBITOKYO」、「東方健美」へ勤務した後、2014年、四谷に紹介制治療院Meilongを開業。

世に鍼灸を広めたく2015年meilong恵比寿院をオープンし、続けて2017年meilong恵比寿mana院をオープン。2019年meilong銀座院もオープン。

千葉大学医学部附属病院の和漢診療科での研修、漢方医、各専門分野の医師との連携もし日々、情報交換、学会への参加も努めている。また自分自身が不妊治療をし鍼灸と漢方も併用し子を授かったが途中、死産分娩を経験している事、さらに不育症からの妊娠を維持する為の体験、知識もあり不妊治療にも寄り添いたいという想いも強い。世の頑張っている女性の一番の味方でありたいと思っている。

ココカラネクスト

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