【大学受験2024】【大学受験2025】高1・2の夏は「英数の基礎固め」「習慣化」を…教育系YouTuber3人からのアドバイス

2022年7月28日(木)13時15分 リセマム

登壇する教育系YouTuber3名(上から時計回りに、okke代表・久保山皓平氏、「受験メモ山本」の山本氏、「ガチでノビる受験数学 東大医学部の解説動画」のシーナ氏)

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高校生向け勉強用検索アプリ「okke(オッケ)」を運営するokkeは、2022年7月16日、17日に夏のオンライン勉強相談会を開催した。ゲストとして教育系YouTuberのシーナ氏と山本氏が登壇。本記事では、1日目である7月16日の高校1・2年生向けイベントのもようを振り返る。

王道の「英語と数学」を固める


 okke代表の久保山皓平氏が司会進行を務め、まずは2人のゲストを紹介。「ガチでノビる受験数学 東大医学部の解説動画」のチャンネルを運営するシーナ氏は、東京大学医学部を卒業した現役医師。「大学受験の数学の解説動画をあげています。特に論理、ベクトルの動画はたくさんの人に視聴いただいています」と話した。

 同じく東京大学卒で、化学・物理の授業動画を配信する山本氏は、チャンネル「受験メモ山本」を運営している。山本氏は「僕のチャンネルは、物理・化学を得意にしたい人向け。学校の授業を一通り聞いてから見てもらえると嬉しいです。本業は、受験の個別指導。今日は僕が答えられる範囲で勉強の相談に乗れたらと思います」と意気込んだ。

 イベントは、事前に高校生から寄せられた質問に、ゲストの2人が回答していく形式で進行した。

質問1:高1で注力すべき教科は?


 最初のテーマは、定期テストに向けての勉強法。「高校1年の段階では、どの教科を何割程度勉強した方が良い?」という質問に、山本氏は「まずは英語と数学」と答えた。「高校1年生で理科や社会にばかり注力して高得点をとっても、1年後には忘れてしまうことも多く、結局受験勉強の時にやり直すことになる。英数は平均点を超えられるように」と、日々の蓄積が必要となる教科としてアドバイスした。

 これに対し、シーナ氏も同調。「英数をとにかくやるのが受験の王道の戦略。英語、数学にたくさん時間かけて損をすることはない。余裕があれば他の教科に時間を割くと良い」と話した。

質問2:数Aの勉強法、アドバイスをください


 続いての質問は「数学Aだけ低い点数を取ってしまった。良い勉強法は?」という具体的なもの。シーナ氏は「その気持ち分かります」と共感を寄せたうえで「数学Iは『ー次関数』や『三角比』は比較的知識が体系化されやすい。でも数学Aの『場合の数』や『確率』は小中学生でも問題を理解することはできるけど、実際の解答には大学受験生も苦労する。難しい分野で、数学的思考力を要する」と分析。「繰り返しやりながら徐々に磨かれていくものだから、(高1の段階では)焦らなくても良い」と話した。

質問3:暗記が苦手…どうしたら?


 「暗記作業が苦手。飽きて続かない」という高校1年生の英語の勉強法に関する悩みに対しては、山本氏が「諦めた方が良い」とまさかの回答。そして「言語とは、本来生まれ育つ中で同じ単語に繰り返し触れ、徐々に単語の意味を理解していくもの。効率的に学ぶために単語帳が存在するが、飽きるのも当然」と話し、対応策を2つ提案した。

◆暗記作業をゲームと捉えて楽しむ
◆問題集を解きながら文章の中で理解する

 前者は、友人と毎週単語対決をしたり、英検など資格取得を目指したりするもの。後者は、問題集のリアルな文章の中でイメージをしながら覚えるもの。いずれもいわゆる暗記作業と比較すると効率には欠けるという。

 一方シーナ氏は、その名も「短期記憶をとりあえずしてしまう作戦」を紹介。自分自身もコツコツ暗記をするのが苦手なため、普段はなかなか取り組めなかったが、ある時丸3日間、単語帳だけを徹底的に勉強したという。短期記憶は容易に薄れてしまうと思われがちだが「一度覚えるとその後忘れても、二度目に触れた時の定着が早い」との利点も紹介した。

「最低ラインをクリア」することで秋以降につなげる


 2つ目のトークテーマは、学習計画。

質問4:高2の夏の受験勉強は何をすれば良い?


 「高2の夏の受験勉強はどんなことをすれば良い?」という相談を受け、シーナ氏は「最低ラインを決めるのがとても大事」と話した。「これだけ勉強できたらいいな」という最高ラインの理想(目標)でなく、夏バテなど体調不良が発生したり、やる気が出なかったりしたときでも「最低限クリアすべき目標」を設定することが重要とのこと。「最低ラインをクリアしておけば、休みが終わったとき『今年の夏は悪くなかったな』と思えるし、秋からも前向きに勉強するモチベーションになる」とメンタルの維持の仕方にも言及した。

 一方、山本氏が示したのは、英数の基礎を90%できるようになっておくこと。具体的には、英文がどんな構造をしているか理解して訳せるようになっておくことと、数学の教科書の問題を自力で解けるようにすることが重要だと主張した。

質問5:指定校推薦を目指す高1が今すべきことは?


 続いての「指定校推薦を取るには高1では何をすれば良い?」との質問には、okke代表の久保山氏が回答した。

 「高1のうちから学校の成績を上げておかないと、指定校推薦で受けられる学校が絞られてくる可能性がある。高2、高3になって志望校選択をする際、学校の成績が足りないと挽回できるチャンスがない。成績プラスアルファの課外活動は、もちろんあればベストだが、高1の今頑張るべきことは、とにかく学校のテスト」(久保山氏)。

学習環境の整備が効率化への第一歩


 トークテーマは、勉強のルーティンへと移った。

質問6:帰宅すると眠くて勉強できない…どうすれば?


 高校2年生から届いたのは「勉強しなければいけないことがわかっていても、帰宅すると眠くて集中できない。どうしたら良いのでしょうか」という切実な相談だ。

 シーナ氏は「高校受験の時に家の玄関まで『家帰ったらめちゃくちゃ勉強するぞ』とはりきっていたのに、ドアを開けて一歩入って5秒後にはもう眠くなっていた」と自身の中学時代を回想。「家に入ると副交感神経が優位になり、脳がリラックスモードになる」と解説した。「自分で制御できないのであれば、何かしらの強制力を家族に作ってもらうしかない。要は家の一部をリラックスできない空間、勉強しなきゃいけない空間にすること。それを避けるのであれば、家以外で勉強すること」と語った。

 山本氏も、対策として3つの案を提示。1つ目として、帰宅せず自宅以外で勉強すること。

 2つ目は、シーナ氏同様、自宅を「勉強しなきゃいけない空間」にすること。「漫画など何もない状態で、そこは勉強のスペースとするのがベスト。帰ったら制服を脱がずに勉強スペースに行く。居間にスマホを置いて『これから2時間勉強するから』と家族に宣言して、部屋に行く」と具体的な行動まで紹介した。

 3つ目は、勉強のようすをライブ配信すること。自分の勉強風景をずっとライブ配信すると、見られている意識があるうえに、スマホを撮影に使っていることで自動的にスマホをいじれなくなるのがメリットだという。いずれも環境を整えて勉強の時間を確保することが大切だと話した。

モチベーションに頼らず「習慣化」すべし


 高校生は忙しい。高1・高2ともなれば、勉強だけでなく、まだ部活動に全力で取り組みたい気持ちもあるだろう。

質問7:部活との両立方法を教えてください


 「部活との両立方法は?」と問われたシーナ氏は高校時代、受験勉強に専念するために、野球部を辞めるか悩んだことを吐露。母親に相談した結果、最後まで野球をしっかりやり、その後切り替えて、勉強を最大限頑張ることに。「悩んで両方どっちつかずな状態は良くない。自分の中に『ここまで頑張る』という線引きをすれば、納得した生活を送れると思う」と語った。

 山本氏も「自分の人生と、その中でのスポーツや勉強の立ち位置を考えて、『これは今しかできない』と思うのなら、もう一方のクオリティが下がることは妥協しなければいけない。でももし『やっぱり大学は希望するところに行きたい』と思うなら、部活の時間を縮めるか、どれだけ疲れていても集中して勉強するなど、調整して頑張るしかない」と話した。

 久保山氏は、部活後の勉強を充実させるため「仮眠のススメ」を説いた。「15分仮眠を取ると、体力の60%は回復するという。スッキリして、勉強するやる気も湧いてくるのでお勧め」と話した。

質問8:モチベーションを上げる方法を教えてください


 山本氏は「モチベーション」という言葉の曖昧さを指摘したうえで「モチベーション云々ではなく、それに左右されずに勉強できる状況を作ることが大事」と説明。そのうえで、習慣化することの大切さを説き、モチベーションに頼らなくても、勉強をできる状態になると主張した。

 モチベーションの問題に付随して大事になるのが、自己管理だ。シーナ氏は「どんなときに調子が良いかを把握しなければいけない。分かりやすいところで言えば、朝型か夜型か。あとは、お昼どれくらい食べたら眠くなるか、エナジードリンクをどのタイミングで飲んだら集中力が増すかとか。細かいことを1個1個検証して、自分にとって最適な環境を見つける必要がある」と語った。

高1の段階で「完璧な進路選択」は不可能?


質問9:文理選択はどのように決めるべき?


 最後のテーマは進路選択について。「文理選択はどうやって決めるのが良い?」という質問が高校1年生から寄せられた。

 シーナ氏は文理選択をする際、自分がなりたい姿から逆算して文系か理系かを決めるケースと、自分の現在の得意・苦手から判断するケースがあると紹介。

 一方、山本氏は「基本的には適当に決めて良いと思う」と気軽なコメント。「(高校生は)将来について圧倒的に情報が足りない状態。だから、高校1、2年生の時期に文系理系どっち?と問われても完璧な答えは出ない」と自身のコメントの根拠を示し、その後の学びの必要性を主張した。

 約90分のイベントの最後には、ゲストの2人から高校1、2年生へメッセージが贈られた。

 山本氏は「とにかく自分の勉強時間を毎日必ず確保すること。『これをやるのが当たり前』というくらい習慣化するのが高1、高2では1番重要。効率化より、とりあえず毎日やることが大切」と高校生へエール。

 シーナ氏は「自信をもって勉強してください。根拠はないけど俺は東大に受かる、頑張ればできる、と思うことが大事だと思っています。前向きにやっていきましょう」と締めくくった。


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