旨い店はタクシー運転手に訊け! 板橋の住宅街に潜む絶品ラーメン『拉麺アイオイ』の魅力とは?

9月1日(日)12時0分 食楽web

旨い店はタクシー運転手に訊け! 板橋の住宅街に潜む絶品ラーメン『拉麺アイオイ』の魅力とは?
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「旅先で旨いものが食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店へ案内してもらいます。

 タクシーの1日の乗務の中で、終電前後にご乗車いただくお客さんは、ご自宅に帰る方がほとんど。これまでに走ったこともない閑静な住宅街の小道を走ることが多いものです。そんな時、たまにポツンと光るお店の看板を見つけることがあります。

「へぇ、こんなところにも飲食店があるんだ、お客さんが来るのかな」なんて、つい余計な心配をしたりします。今回、ご紹介する板橋区の坂下一丁目の『拉麺アイオイ』も、まさにそんなお店。

都営三田線「志村三丁目」から徒歩7分ほどの場所にあります
都営三田線「志村三丁目」から徒歩7分ほどの場所にあります

 板橋区は私の地元でもあり、ラーメン店はわりと把握しているつもりでしたが、この界隈の住宅街に潜むお店は盲点で、通りがかってから、気になって仕方ありませんでした。そこで、数日後、食べに行ったのです。

 結果は、大正解でした。我ながら美味しい店に対する嗅覚は冴えていると自画自賛してしまうくらい、パーフェクトなラーメンに出会ってしまいました。

進化してきた至極の1杯

 基本のラーメンは「醤油らーめん」(740円)、「煮干しそば」(790円)、「背脂そば」(790円)の3種類。それぞれ、チャーシュー増しタイプと、“得製タイプ”があります。私が最初に食べたのは、「得製煮干しそば」(1140円)でした。

「得製煮干しそば」(1140円)
「得製煮干しそば」(1140円)

 具材は、ほうれん草、メンマ、玉ネギ、チャーシュー、煮卵、そしてナルト。
 見た目は“美しい”というくらい完璧なビジュアルのラーメン。そしてスープを一口。煮干しの風味がふわ〜っと香り、醤油スープの上品な味に感激。そして麺に箸を伸ばすと、なんと平打ちのちぢれ麺でした。煮干しそばの多くはパツパツの低加水麺が多く、これを基準にしていた私は、意外でした。

小麦粉は埼玉県産と北海道産で作る自家製麺で、お店の2階で製麺しているそうです
小麦粉は埼玉県産と北海道産で作る自家製麺で、お店の2階で製麺しているそうです

 でも、この麺が旨いのなんの。つるっつるの、もっちもち。噛みしめると、うどんのような小麦感。でも、うどんじゃない。それは、煮干し醤油の中華スープとの相性と抜群の適度な縮れ具合だからなのです。

 さらにチャーシューは、食感をきちんと残しつつ柔らかで、その味付けもスープを邪魔しない。大量に入ったメンマの食感もしゃっきりとしていて、スープになじむ。粗目のみじん切り玉ネギは、味も食感も最高のアクセントです。

メンマもしっかり塩抜きして炊き上げた自家製
メンマもしっかり塩抜きして炊き上げた自家製

 具材に箸を伸ばすたび、仕事の1つ1つに丁寧さを感じ、食べ進んで行くと全体の味のバランスまできっちり計算されている、と確信。まさにパーフェクトな1杯。これは、他の種類のラーメンも絶対に食べなきゃいけません。

 というわけで後日、すぐ再訪したのです。次に食べたのは、「チャーシュー醤油らーめん」(990円)。

「チャーシュー醤油らーめん」990円。スープはすべて一緒ですが、使う香油を変えているそうです
「チャーシュー醤油らーめん」990円。スープはすべて一緒ですが、使う香油を変えているそうです

 スープをいただくと、「煮干しらーめん」とは違い、生姜の香りがフワッとしました。そして、こちらの麺は中太ストレート。この麺は、ツルンと滑らかで、噛むともちもち。もう、拍手したいくらいです。

「醤油らーめん」だけストレート麺にしているそう
「醤油らーめん」だけストレート麺にしているそう

 厨房には、ご主人・田村和重さんとその奥様がいて、手際よくラーメンを作り、お客さん1人1人に気配りし、目も配り、声もかけています。なんて、ほんわかした空気なのでしょう。そこで、私も少しお話をさせてもらうと、お店は3年前にオープンしたと教えてくれました。

「毎日、オープン前に二人で1杯ずつラーメンを試食して、よし、これならいける! と言って店を開けてるんですよ。その毎日の積み重ねで、じつは3年前とはメニューも味も変わりました。こんな住宅街で、よく3年もったなと思いますが、とにもかくにも、毎日1つ1つ丁寧に作ろうと、すべて自家製。おかげさまで少しずつお客様に認めていただいて、週末には並んでいただけるようにもなりました」とご主人。

 何より二人が大事にしてきたのは、「食べて美味しいかどうか」だった。そこに感激します。さらに、ご主人が興味深いことを言っていました。

「うちのレシピを教えて欲しいという人にはすべてお伝えします。ただ、野菜炒めでも炒飯でも、レシピ通りに作っても味は違う。タイミングや火加減などでガラリと印象が変わるからです。私自身もそうです。だから、毎日、二人で舌で確かめて、より美味しいものを追求しているんです」

 感激しちゃいました。料理は本当に奥が深い。ぜひ、『拉麺アイオイ』の味を試してみてください。真摯に進化を続ける最高の味。最後に1つだけ、閑静な住宅街なので、並ぶときはご近所への気配りもしてくださいね。私も、また食べに行きます。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

拉麺 アイオイ

店名:拉麺 アイオイ

住:東京都板橋区坂下1-3-7
TEL:03-6279-8207
営:11:30〜15:00 18:00〜21:00
休:日

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。

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