能登半島地震被災地の小中高生6割「復興に向けて何かしたい」
2024年9月4日(水)11時45分 リセマム
同アンケートは、能登半島地震から半年が経過した2024年7月、被災地の子供たち小学4年生〜高校生世代を対象に「国・自治体の大人や地域の人たち、保護者らにいま伝えたい思い」を聴くために実施。紙の調査票やオンラインフォームを通じて、 2024年7月1日から31日の間に、おもに石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市の5地域に在住する、小学4年生から高校生世代の子供2,053人から回答を得た。
能登半島地震やその後の生活について大人や社会に伝えたいことがあるかを尋ねたところ、「はい」を選択した子供が36.8%いた。伝えたいことの1位は「感謝の気持ち」41.0%で、「地震が起きたときのこと」「被災した自分のまちのこと」「自分の住むまちの復興のこと」を選択した子供がいずれも3割を超えている。
一方、「いいえ」を選択した子供が39.8%、「わからない」が22.2%いた。理由の内訳を見ると、「何を話したらいいかわからない」が36.7%ともっとも多かった。また「話しても何も変わらない」が16.6%いるなど、潜在的には被災に関連して何かを伝えたいと思っていても、その環境が整っていないため伝えられない、言うことをあきらめた子供たちが一定数いることが推察される。
今後の復興に向けて何か行動したいという選択肢を1つでも選択した子供は64.0%(1,313人)と6割を超え、復興に関する選択肢のうち1つでも選択した子供が21.2%(435人)いた。また、大人や社会に伝えたいことの有無について「いいえ」「わからない」を選択した子供であっても、何か行動したいという選択肢を選んでいる子供が一定数いたという。
自由記述では、学びや暮らしが大きな制約を受けていることへの悲しみや苛立ち、そのために学ぶ環境や経済的支援、子供が過ごせる場の環境整備を望む声など具体的な子供たちの願いや訴えが少なからず寄せられたという。さらに復興が進んでいないことへの驚きや疑問、能登を見捨てないでほしいといった切実な訴えもあったという。
セーブ・ザ・チルドレンは、国や石川県、関連自治体に今回の結果を報告し、各地の復興や防災計画に子供たちが参画する機会を設けること、子供の意見を尊重し計画に反映することなどを求める。また、子供たちの声を社会に広く伝え、今後の災害における子供の意見表明の取り組みを強化するよう働きかけていく。同アンケート結果については子供向け報告書、自由記述をさらに多く掲載した完全版を作成する予定だとしている。