血塗りのアステカ文明が生んだ「16の恐ろしい工芸品」 生者の皮剥ぎ、人肉食の痕跡

2022年10月6日(木)17時0分 tocana

 アステカ文明で崇拝されていた太陽神には人間の生贄が必要であるとされ、定期的にかなりの数の人身供養が行われていたことが記録に残されている。またそうした人身供養の過程では人肉食も行われていた。一説では毎年数十万人もの命が太陽神に奉げられていたというが、そのことは発見されている数々の工芸品からも推察することができる。


■ミクトランテクートリ


 世界遺産のテオティワカンで発見されたアステカの死者の神である「ミクトランテクートリ(Mictlantecuhtli)」。 ミクトランテクートリを崇拝する儀式では人肉食が含まれることがあり、寺院の内外で人間の肉が消費されていた。


■シペ・トテック


 アステカ神話において「皮を剥かれた我らが主」である穀物の神「シペ・トテック(Xipe Totec)」の像。シペ・トテックは、剥がれた人間の皮膚を身に着けている姿が表現されており、通常は手の皮膚が手首から剥がれて垂れ下がっている。シペ・トテックの毎年恒例の祭りでは、奴隷または捕虜が犠牲にされ、司祭は新鮮な血がまだ滴っている犠牲者の剥がれた皮膚を身に着けていた。


■ナイフ


 身をかがめたワシの戦士のような形をした人身供養の儀式に使われるアステカのナイフ。


■デス・ホイッスル


 フルート職人のザビエル・キハスによって開発された、死者の王を描いた「皇帝デス・ホイッスル(The Emperor Death Whistle)」。アステカの死の笛(デス・ホイッスル)は、人間の叫び声に似た鋭い音を立て、儀式、犠牲、または戦闘中の敵に恐怖を与えるために使用されたと考えられている。


■チャクモール


 メキシコシティにある大神殿、テンプロ・マヨール遺跡にある寝そべった人物像「チャクモール(chac-mool)」。チャクモールの腹の穴は、生け贄に捧げられた犠牲者の心臓が置かれた場所であった。


■マクアフティル


 アステカ文明で最恐の武器は、エリートの戦士が好んだ棍棒「マクアフティル(macauahuitl)」である。周囲に鋭い黒曜石の刃を埋め込んだ木製のバットは、一撃で馬を殺してしまうほどの攻撃力であったという。


■シウテクトリ


 アステカ神話の火の神「シウテクトリ(Xiuhtecuhtli)」を奉る毎年恒例のフェスティバルでは、奴隷と捕虜が神に扮し、火の神に敬意を表してその身を捧げた。


■クアウシカリ


 人間の心臓を乗せるための円形の空洞が背中にあるワシの石像「クアウシカリ(Cuauhxicalli)」。



■鮫の歯のペンダント


 動物の頭の形をしたペンダント。 木製でターコイズとマラカイトのモザイクで覆われている。開いた口には宝石がちりばめられ、本物のサメの歯が並んでいる。


■ミクトランテクートリの粘土像


 メキシコシティのテノチティトラン大神殿の北端にあるイーグルスの家での発掘調査中に、考古学者は2体の等身大のミクトランテクートリの粘土像を発見した。


 死の神であり冥界の支配者であるミクトランテクートリは飛び出た肝臓が垂れ下がっており、皮膚が引き裂かれ、長い爪の手が表現されている。専門家はミクトランテクートリの崇拝が儀式的な人肉食に関連していると確信している。


■テスカトリポカ


 アステカ神話の4大創造神の1人であり大熊座の神「テスカトリポカ(Tezcatlipoca)」のモザイクスカルマスク。


 この工芸品の素材はターコイズのモザイクで覆われた人間の頭蓋骨である。専門家はこれは儀式用の装束の一部であり、鹿革のストラップを使用して着用されたと考えられている。


■ラブレット


 この13世紀の黄金の蛇のラブレット(唇のピアス)は、珍しいアステカの金の工芸品である。アステカ族にとって金は神々に関連付けられており、支配者が身に着けていた。金のラブレットは権力の象徴であった。


■水晶髑髏


 大英博物館に展示されているオリジナルの「水晶髑髏(すいしょうどくろ、rock-crystal skull)」。 その起源はほとんど不明だが、頭蓋骨の特徴をなす様式は、一般的にメソアメリカの先住民の彫刻と一致している。


■シワテテオ


 出産で亡くなったアステカの女性である「シワテテオ(cihuateotl)」の像。アステカ神話では、シワテテオは出産で亡くなった女性の悪意のある霊である。シワテテオは握りしめられた鉤爪のような拳、不気味な、むき出しの歯と歯茎、そして攻撃的なポーズを持つ恐ろしい人物として描かれている。


■トラロック


 ターコイズのモザイクで絡み合って輪になった2つの蛇の形をした雨と稲妻の神、トラロック(Tlaloc)の蛇のマスク。


■ケツァルコアトル


 双頭の羽毛のある蛇は、2000個以上のきわめて貴重なターコイズの小片で作られている。おそらくアステカ神話の文化神・農耕神「ケツァルコアトル(Quetzalcoatl)」を表現しているこの工芸品は、アステカが滅びの危機に瀕していた時代を物語っているという。


参考:「Ancient Origins」、ほか

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