こむら返りは「体からの危険信号」?深刻な病気が隠れている可能性も
2022年11月15日(火)20時30分 ココカラネクスト
普段の生活の中で、一度は経験したことのある人が多いであろう「こむら返り」。こむら返りというのは、簡単にいうと、足がつることを指します。
一見ただの「足のつり」に思われがちですが、実は様々な体の不調や病気と関連している可能性もあります。
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今回は株式会社ウェルネス代表取締役で総合診療医でもある中田航太郎先生より、こむら返りについて、全4回に分けてご紹介。
第3回となる本編では、こむら返りが起きやすいとされる人の特徴や、考えられる病気や不調との関連についてご紹介します。
Q:一般的に、こむら返りが起きやすい年代、性別、あるいは特徴のある人はいますか?
A:一般的には年代は幅広く起きていますが、男女比で言うと1:3で女性に多い傾向があります。中でも、40代の女性に起きやすいというデータもありますね。
Q:他にも何か特徴的な人はいますか?
A:こむら返りは、健康な人でも起こるものですが、何らかの病気や異常があって起こる場合もあります。
健康な人の場合ですと、以前お話した通り、脱水・ミネラル不足あるいは筋肉の疲労などがきっかけとなって起こりやすくなることがあります。
病気が隠れているケースの中で多いものとして、下肢静脈瘤を患っている方はこむら返りを起こしやすいと言われています。下肢静脈瘤は、家族歴がある人や、妊娠・出産の経験がある人、肥満の人、あとは同じ姿勢で長時間仕事をしている方にも起きやすいといわれています。
※下肢静脈瘤とは:足の血管の病気です。下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)が文字どおりコブ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。特に女性に起こりやすいと言われている。
Q:こむら返りが起きると、体からどんなSOSが出ていると考えられますか?気を付けたい病気などはありますか?
A:ミネラル不足や筋肉の疲労、睡眠の質が良くないケースなど生活習慣によるものが多いですが、今まで起こらなかったのに急に頻度が増えてきたケースや、明らかに頻度がおかしいといった場合には、何らかの病気が隠れている場合があります。
有名なものですと、甲状腺機能の低下、糖尿病、先ほどお伝えした下肢静脈瘤ですかね。
こむら返りだけでこれらの病気を見つけることはなかなか難しいですが、何らかの病気からこむら返りが一つの症状として起こることがあると知っていていただけたら嬉しいです。
あとは、年齢が高い方だと、心臓や血圧の薬を飲んでいる方もいらっしゃいます。そのような薬には、利尿剤などカリウムを外に出してミネラルに影響するものもあるので、薬が原因になることもあります。
突然頻度が増えた場合や他の症状もある時には、ドクターに気軽に相談していただけるといいかと思います。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
中田 航太郎(なかだ・こうたろう)
東京医科歯科大学医学部卒業後、救急総合診療医。病気が進行するまで病院を訪れない患者と多数触れ合う中で予防医療の重要性を痛感し、2018年に株式会社ウェルネスを創業。パーソナルドクターサービスを展開し、自身も150名以上の経営者・芸能人の健康マネジメントを行う。著書に『医師が教える内臓疲労回復』など。