【まだ間に合う】人気精神科医が教える、「なぜか周りになじめない人」が今すぐすべきたった1つのこと
2025年5月5日(月)6時55分 ダイヤモンドオンライン
【まだ間に合う】人気精神科医が教える、「なぜか周りになじめない人」が今すぐすべきたった1つのこと
YouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」で、メンタルの病気について発信し続けている、早稲田メンタルクリニック院長の益田裕介医師。本記事では、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の邦訳1周年を記念して、益田裕介医師に気分とメンタルの関わりについてインタビューを行った。本記事では、精神的な健康を保つために重要な要素となる「友達」の作り方について精神科医の視点から解説する。(取材・文 ダイヤモンド社書籍編集局 工藤佳子)
Photo: Adobe Stock
まずは「合わせる」ことから
——新年度から新しい学校や職場に入って1カ月。なかなかなじめないと感じている人に、何かアドバイスはありますか?
益田裕介(以下、益田) 僕自身も昔そうだったんだけど、「流行についていく」ってけっこう大事なんですよ。
たとえば、昔はそんなに野球好きじゃなかったけど、自衛隊にいたときは周りが話してるから頑張って野球の話題についていってました。
今の人って、あんまりそういう努力をしないじゃないですか。興味がないって理由で切ってしまう。でも、それってもったいない。
たとえば、周囲で子育ての話題が多かったら、自分に関係なくても聞いてみる。あとから調べてみる。そうやって、自分の興味とは別に、周囲のキーワードを拾っていくんです。
たとえばうちのクリニックだと、女性のスタッフは子育ての話をよくされます。自分が興味ない話題だったとしても、「へえ、そうなんですね」と聞いてみたり、「それがあるんだ」と少しでも関心を示してみるだけで、場の空気って全然違うんですよね。
たとえば株の話題が多かったら、経済ニュースをちょっとだけ見るとか。別に詳しくならなくていいけど、「ああ、それ知ってる」って言えるだけで、話題に入りやすくなる。それが最初の一歩なんですよ。
まずは“流行に乗ってみる”ことからでいい。無理して自分を偽る必要はないけど、相手の関心にちょっとだけ歩み寄る。それだけでも関係ってだいぶ変わりますよ。
だから、最初の1カ月でなじめなかったとしても、焦る必要はないです。
大人こそ「グループ」がいい
——やはり、学校や会社でも友達はいた方がいいのでしょうか?
益田 絶対にいた方がいいです。それに、一度できた友達は、本当に大事にした方がいい。なぜかというと、大人になると新しい関係を築くのがどんどん難しくなるからです。
——まずは一対一の関係づくりから始めるのが良いのでしょうか。
益田 大人になってからの関係性って、意外と一対一よりも2〜3人でつながる方がうまくいくことも多いんです。
一対一だと緊張感が出やすかったり、距離が近すぎたりするので、ちょっと人数がいる方が自然体で関係を築きやすいんですよね。その場の空気や関係性に応じて、臨機応変に付き合い方を選んでいけると、無理なくなじめるようになると思います。
ただ、仲がいい人たちとグループになったときには、“嫉妬”や“スケープゴート”といった人間関係の摩擦も生まれがちなんです。
誰かが浮いた行動をしたときに、それがいじめの対象になってしまうこともある。特に人数が多くなってくると、「このグループの中で一番弱い人」を無意識に探してしまうような心理も働きます。
だからこそ、場の空気を読んだり、適切な距離感をとることが大切ですし、自分自身がそうした輪に巻き込まれないように意識することも大事なんですよね。
早稲田メンタルクリニック院長。精神保健指定医、精神科専門医・指導医
防衛医大卒。防衛医大病院、自衛隊中央病院、自衛隊仙台病院(復職センター兼務)、埼玉県立精神神経医療センター、薫風会山田病院などを経て、早稲田メンタルクリニックを開業。YouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」を運営し、登録者数60万人を超える。患者同士がオンライン上で会話や相談ができるオンライン自助会を主催・運営するほか、精神科領域のYouTuberを集めた勉強会なども行っている。著書に『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』(KADOKAWA)、『精神科医の本音』(SBクリエイティブ)、『【心の病】はこうして治る まんがルポ 精神科に行ってみた!』(扶桑社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 メンタルの悩みとギモンを専門医がすべて解決!』(日本文芸社)などがある。