機能性ディスペプシアをご存じですか?胃が弱い人へ薬剤師がアドバイス

2023年11月20日(月)19時0分 ココカラネクスト

 胃もたれやみぞおち付近の痛みが続いて病院に行っても原因がはっきりしない場合、その不調の正体は「機能性ディスペプシア」かもしれません。

この記事では、胃やみぞおちなどに痛みを覚える人の約半数が悩んでいるともいわれる、機能性ディスペプシアの症状や原因、解決策をご紹介します。

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1.機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアとは、検査で何も異常がないものの、胃もたれやみぞおち付近の痛みなど慢性的におなかの上部に不調が生じる疾患です。機能性ディスペプシアの原因は、生活習慣やストレス、体質など多岐に渡ります。

おなかの不調で病院を受診した人のうち、約半数に機能性ディスペプシアが見つかるといわれています(※1)。聞きなれない病名かもしれませんが、多くの人がかかる可能性のある疾患です。

病院では、問診や胃カメラなどの検査を行い、胃がんや胃・十二指腸潰瘍などの疾患、ピロリ菌の感染がなかった場合に機能性ディスペプシアと診断されます。

1-1.症状と原因
機能性ディスペプシアでは、以下のような症状があらわれます。

<機能性ディスペプシアの症状>
・胃もたれ、胃痛
・満腹感やおなかの張り
・みぞおちの痛み
・胃酸の逆流、胸やけ
・吐き気、ゲップ

ストレスや不規則な生活習慣が原因で自律神経が乱れると、胃や十二指腸の運動異常や胃酸の分泌過多が引き起こされます。
また、このような外的要因以外に、体質や遺伝的要因が原因であることもあります。

2.機能性ディスペプシアは完治しない?

機能性ディスペプシアの治療方法は、主に生活習慣や食事の改善、投薬治療です。

外的要因が関係している場合には、生活習慣の改善と投薬治療を組み合わせます。また、同時に胃酸の分泌過多など胃の不調を引き起こしている場合には、投薬治療で症状を緩和します。

一方、体質や遺伝的要因によって症状があらわれている場合の治療は難しいといわれています。さまざまな原因が重なっていることも多いため、治療によって症状を落ち着かせることはできますが、完治は難しいと考えられているのです。

たとえば、ストレスが原因であった場合、ストレスによって引き起こされる胃や十二指腸の運動異常や胃酸の分泌過多など、直接的な原因は投薬治療で抑えられます。しかし、ストレスがかかり続ける環境であれば根本的な解決はのぞめません。

また、体質や遺伝的要因が原因の場合には、胃の細菌の構成を適正化するなど治療法があるものもあれば、生まれつきの胃の形など根本的な原因に対するアプローチが難しい場合もあります。

3.慢性的な胃の不調には漢方薬が役立つ

機能性ディスペプシアは、症状を緩和しながらうまく付き合っていくのが治療のゴールです。実際の治療では、生活習慣や食事の改善に加えて、漢方薬も用いられています。

機能性ディスペプシア対策には、以下のような働きをもつ漢方薬が用いられます。

・胃腸機能を回復する
・自律神経を整えてストレスを軽減する
・からだを温めて胃腸の働きを改善する

根本的な体質改善にアプローチする漢方薬を、生活習慣の見直しとともに活用してみましょう。

<機能性ディスペプシア対策におすすめの漢方薬>

・六君子湯(りっくんしとう)
胃腸の働きを高め、胃にたまった余分な水分を取り除くことで、胃炎、胃痛、食欲不振、消化不良などに働きかけます。
ストレスや疲れなどによって胃腸の働きが弱っている人におすすめです。

・安中散(あんちゅうさん)
胃腸を温め、胃酸の分泌を抑えることで、胃痛、腹痛、胸やけ、胃潰瘍などに働きかけます。
おなかの冷えやストレスなどによる胃痛を感じる人におすすめです。

自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。漢方薬が自分の今の状態に合っていない場合は、効果がないだけでなく、副作用が生じる場合もあります。初めて服用する場合は漢方に精通した医師、薬剤師へのご相談をおすすめします。

最近では、「あんしん漢方」のようなAI(人工知能)を活用した新しい漢方相談サービスも注目されています。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、体質に合った漢方をお手頃価格で自宅まで郵送してもらえます。

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4.おなかの不調が気になる場合には早めの受診を!

機能性ディスペプシアは誰でも発症しうる病気です。ストレスを減らし、規則正しい生活習慣を送ることで対策できます。機能性ディスペプシアの原因は多岐に渡るため、自己判断せず医師の指示を仰ぎましょう。適切な対処方法を実践して、元気な毎日を送りましょう。

(※1)清田啓介「Non-Ulcer Dyspepsia (NUD) に対する臨床的疫学的研究」日本消化器病学会雑誌 1992; 89: 1973-1981

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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