「18~19歳」の被害増加…SNSなどを利用した「ヤミ金融」の“新たな手口”とは?

2023年11月27日(月)21時30分 TOKYO FM+

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30〜7:55)。11月26日(日)の放送では、金融庁 総合政策局 リスク分析総括課 貸金業室長の小畠貴志(こばたけ・たかし)さんを迎えて「手軽が危険! 新たな手口のヤミ金融 パート2」をテーマに話を伺いました。

(左から)青木源太、小畠貴志さん、足立梨花


◆18〜19歳がヤミ金融のターゲットに!?
当番組で「ヤミ金融」をテーマに取り上げるのは2回目で、以前は新型コロナウイルスの影響で収入が減り、困っている人が増えていることに便乗して、ヤミ金融が広がりを見せていたため、注意喚起の目的で深掘りしたものの、残念ながらいまだにSNS上にはヤミ金融の魔の手がはびこっています。
まずは、小畠さんに「ヤミ金融」について伺うと「本来、貸金業をおこなうには、国や都道府県に登録する必要がありますが、ヤミ金融はこうした登録をせずに違法に金銭の貸し付けをおこなって法外な金利を請求したり、返さない場合には悪質な取り立てをおこないます」と説明。
例えば、借りたお金が10万円未満の場合、正規の貸金業者がお金を貸すときの上限金利は“年2割”ですが、ヤミ金融の場合は「トイチ」と言って“10日で1割の利息”で貸し付けがおこなわれてしまい、高い利息によって借金が雪だるま式に膨らみ、返せなくなる可能性が高まります。もちろん、これ以上の金利を請求する場合も多いため、1度ヤミ金融からお金を借りたら大変です。
そして今、特にターゲットとされているのが18〜19歳の若者です。2022年4月から成年年齢が18歳になり、スマホやクレジットカードなども、親の同意を得なくても自分の意思で契約ができるようになりました。
しかし、自分が支払える範囲内でスマホやクレジットカードを利用する分には問題ありませんが、なかには限度額を超えて使ってしまう若者もいて、こうした人がヤミ金融のターゲットになってしまうことが懸念されています。現に、昨年1年間に警察にヤミ金融に関する相談をした20歳未満の若者の割合は、前の年と比べて増えているというデータもあります。
◆SNS上の「個人間融資」「ひととき融資」に要注意!
近年では、インターネットの掲示板やSNS上にもヤミ金融の魔の手が潜んでおり、その1つが「個人間融資」です。このうち特に女性がターゲットになるものを「ひととき融資」などと言い、今年になって摘発されたケースも見られます。
個人間融資について、小畠さんは「SNSやインターネットの掲示板などを通じて、知らない人同士が金銭の貸し借りをすることで、例えば、SNSのコメント欄に“#個人間融資”“個人融資”“お金貸します”などの書き込みをして、勧誘がおこなわれています」と解説。
SNS上で見られる個人間融資には、多くの場合、法律上の問題が発生します。「たとえ個人であっても、繰り返し金銭の貸し付けをおこなうことは法律上“貸金業”に該当するため、貸金業登録が必要です。また、不特定多数が閲覧できるSNSなどで『お金貸します』などと書き込んで契約の締結を勧めることは、貸金業法で規制されている“勧誘”に該当する恐れがあります」と指摘。
こうした貸金業の無登録営業および無登録業者による勧誘は、いずれも刑事罰の対象となり、個人間でのやりとりであってもヤミ金融となります。
なお、SNS上で「個人間融資」と検索すると、かわいらしい女の子やクマなどのイラストを使ったポップなアイコンがたくさんあがっていて、パッと見では、ヤミ金融のアカウントとは思わないものも。そのため、ヤミ金融とは気づかずにアクセスしたり、気づいたとしても“お金がどうしても必要だから”との理由でアクセスしてしまい、トラブルに巻き込まれてしまう事例もあります。
続いては「ひととき融資」について。これは個人間融資の内容でも特に女性がターゲットになる手口で、「お金を貸し付ける代わりに、性的行為やわいせつな画像を要求するものです」と小畠さん。
インターネットの掲示板やSNS 上で“女性優先”“主婦OK”などと甘い言葉で勧誘し、融資を希望する女性にダイレクトメッセージなどを使って「お金をお貸ししますよ。1度会ってお話をしましょう」などと接触。そして、実際に会って「お金を貸してあげるから、利息の代わりに……」と性的行為などを要求してきます。そして、1度でも関係を持ってしまうと、その後、何度も要求されるようになり、断ると「写真をネットにばらまくぞ」などと脅され、トラブルになるケースが起きています。
◆あらかじめ知っておきたいヤミ金融の“新たな手口”
さらに最近目立っているヤミ金融の新たな手口が「先払い買取現金化」です。これについて、小畠さんは「中古のスマホやゲーム機など、商品の買い取りを装って相手に代金を前払いする形で貸し付けをおこない、後になって『商品が届かない』などと言い、違約金の名目で相手から法定金利をはるかに超える利子をつけて、貸し付け金を回収する手口です。商品の売買を装っていても、その実態は“貸し付け”であり、商売としておこなう場合は、やはり貸金業に該当する恐れがあります。そのため、貸金業登録を受けていなければ、違法なヤミ金融業者として罰則の対象となります」と解説します。
先払い買取現金化の特徴は、違約金名目の金銭が非常に高額な点です。そのため、利用者は違約金が払えず、かえって生活が悪化して、また別のところからお金を借りるなど、多重債務に陥る危険性があります。また、個人情報が悪用されるなど、トラブルや犯罪に巻き込まれる危険性もあり、注意が必要です。
最後に、小畠さんは公式X「金融庁金融トラブル注意喚起情報」で、今回紹介したヤミ金融の手口を公開していることを紹介し、「まず、どういう手口があるのかを知るためにも、一度ご確認いただければと思います。『個人間融資』や『ひととき融資』『先払い買取現金化』での貸し付けは、誰でも手軽に借りられるからこそ、そこに大きな危険が潜んでいます。ヤミ金融業者は絶対に利用しないでください」と注意を呼びかけました。
なお、すでにトラブルに巻き込まれてしまっている場合は、金融庁の「金融サービス利用者相談室」または全国の消費生活センター等へご相談ください。消費者ホットライン(188番)に電話をすると、お近くの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
今回の話に足立は、さまざまなヤミ金融の手口があることに驚きつつ、「18〜19歳の皆さんには、こういったヤミ金融には絶対に引っかからないように注意してほしいなと思います」とコメント。
一方、青木は、「個人間融資」「ひととき融資」「先払い買取現金化」といった手口に着目し、「パッと聞くと何のことか分からない人もいるかと思いますが、これらはすべて“ヤミ金融”。ちょっと目の前のお金に目がくらんだだけで人生を棒に振ってしまうことも考えられますから、本当に甘い言葉には注意が必要です」と注意喚起していました。

(左から)青木源太、足立梨花


----------------------------------------------------
11月26日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年12月4日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/

TOKYO FM+

「ヤミ金」をもっと詳しく

タグ

「ヤミ金」のニュース

「ヤミ金」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ