フォルムも素材もメッセージも... 「秋常山古墳群史跡公園」の中にある手洗い場が「お墓」に見えてしまう件
2023年12月11日(月)18時22分 Jタウンネット
「死んだらこれと同じのを墓石にしたい」
そんなコメントと共に投稿された写真が、X上で注目されている。
こちらは、Xユーザーのぽこたろう(@pokotaro1222)さんが2023年10月13日に投稿した写真。
映っているのは、屋外にある水道だ。手洗い場か何か何だろう。
しかし......石の質感や、周りが四角く囲まれている点が、かなり「それっぽい」。
そう思うと、真ん中に刻まれた「この水は飲めません。」という注意書きも、新しめのお墓や洋式のお墓に彫られているメッセージのようにも見えてくる。ほらあの、「愛する夫、父、祖父」って英語で書いてあったり、感じで「夢」って書いてあるような。
しかも、17日にJタウンネット記者の取材に応じた投稿者・ぽこたろうさんによると、撮影地は「お墓」と関係が深い場所のようで......。
「隣には共同墓地があるが......」
ぽこたろうさんは自身のXアカウントで、地元民から見た「北陸地域の日常」を写真で発信しているユーザー。「墓石みたいな手洗い場」は2022年5月2日、石川県能美市にある秋常山古墳群史跡公園を散策しているときに見つけたという。
「蛇口がついてて面白いな、って思いました。もしこれがお墓になったら掃除もしやすいし、お花の水だって取り替えやすいし、といったことを想像して投稿しました」(ぽこたろうさん)
能美市公式サイトによると、秋常山古墳群史跡公園には約1600年前に作られたとされる北陸最大級の前方後円墳と、はにわなど様々な副葬品が出土する方墳という2基の古墳があり、国の史跡にも指定されている場所だ。
古墳——つまり、「墓」である。そんな場所の近くに設置されているということは、もしかしてこの水道も「墓」を意識してデザインされたものなのだろうか? その可能性はかなり高いように思えるが......。
同園を管理するのは「能美ふるさとミュージアム」。Jタウンネット記者が11月1日、同館学芸員に手洗い場について尋ねると、水道は2003年に、手洗い場や植栽への水やり用の用途で設置されたものとのこと。そしてデザインについては、こう答えた。
「隣には秋常町の共同墓地がありますが、『だから墓石を意識したデザインにした』ということもありません」(能美ふるさとミュージアム・学芸員)
記者の予想とは裏腹に、特に意識して作られたものではなかったようだ。
いやしかし、古墳や墓地にこれだけ近い場所にあるとなれば......無意識のうちに墓っぽくなっちゃったなんてことも......ないだろうか? ないか......。