おまたやおしりを親がガシガシ洗うのはNG!? 3歳からの性教育、まず教えてあげたいこと【性器の洗い方】

2022年12月16日(金)17時30分 マイナビ子育て

子供の性教育って何歳からが適切なのか、何から始めたらいいのか、迷いますね。そこで、産婦人科医の宋美玄先生に、家庭での性教育について聞きました。

3歳からプライベートゾーンを教えて

性教育の適正年齢ですが、個人差はあるものの、私は言葉が伝わりやすくなり、少しずつ身辺自立をし始める3歳くらいからがいいかなと思っています。ユネスコは包括的性教育の開始時期を5歳くらいだと言っていますね。それより少し早くてもいいかもしれません。

まずはお風呂で、プライベートゾーンだけは自分で洗うように教えるのはどうでしょうか。私は、おまた(性器)とおしりだけは自分で洗えるよう泡を手に乗せて「自分で洗ってごらん」と洗い方を教えることから始めました。

というのも、もしもおまたやおしりを親がガシガシ洗っていると、他人に触られることに抵抗がなくなるかもしれないと思ったからです。おまたやおしりは親であっても他人に簡単に触らせてはいけない大切な部分だと教えるといいのではないでしょうか。

続いて、同じく他人のおまたやおしりは、どんなに仲良しでも勝手に触ってはいけないことを教えます。いわゆる「いいタッチといけないタッチ」ですね。性教育はここからスタートするのがいいのではないかと思います。

おまたやおしりの正しい洗い方とは⁉︎

ただ、洗い方は、子供だと不完全になりそうで心配ですね。最初のうちは手を添えて一緒に洗ってあげてください。そうでないと不潔なまま、ということにもなりかねません。

男の子の場合は、仮性包茎であれば、たまに皮をむいて中のかすを取ってあげましょう。ときどきむいて洗うことも教えてあげてください。大きくなってから初めてむくと、真性包茎であることがわかったり、中から大量の垢が出てくることもあります。

女の子の場合は、和便器にまたがる時のようにしゃがみ、ひだのあいだもしっかり洗うよう教えてあげましょう。ただし、腟のなかは自浄作用がありますから洗う必要はありません。あくまでも外側を洗うようにしましょう。

最初はうまくできない子も、繰り返し教えてもらえれば、自分できれいに洗えるようになるでしょう。たまに心配であれば、チェックしたり、洗ってあげる日があってもいいと思います。子供の年齢や発達、得意不得意に合わせてあげてくださいね。

ただ「自分のプライベートゾーンは、自分だけが触る」という意識を持ってもらうために、子供でも自分でおまたやおしりを洗うことはとても有効だと思います。

下ネタを言いたがり裸を見せたがる場合は?

またお風呂に入る際には「どうしておちんちんがある子とない子がいるの?」「パパはおちんちんがあるのに、ママにはないのはなぜ?」などと聞くことがあるかもしれません。

女の人には「おちんちん」が欠如しているのではなく、外から見えない隠れたところについていると伝えましょう。実際に名称を教えなくても、男性には男性のおまた(おちんちん)があり、女性には女性のおまた(赤ちゃんが出てくるところ)があり、おなかのなかには赤ちゃんのおうち(子宮)があることを教えれば少し理解できると思います。

他にも男女を問わず「おっぱい」「おちんちん」「おしっこ」「うんこ」などと大声で言ったり、裸やおまたを見せたがることもあるかもしれません。幼児や小学生にとって、やはり性や排泄に関することは非常に面白いようです。

そういうときは何度も繰り返し「面白くないよ」「周りの人は見たくないかも」「周囲の人には見ない権利がある」ということを穏やかに伝えてあげましょう。ただ家のなかでは親も面白かったり、かわいかったりして笑ってしまうこともあるかもしれませんね。そこは潔癖に叱ったりしないでいいと思います。

最初は家のなかでふざけるのはよしとして家の外ではやらないように伝え、成長とともに家のなかでもやらないよう教えるのが現実的かもしれません。とても大切なことなので、やさしく何度も教えてあげてくださいね。

(解説:宋美玄 先生、聞き手・構成:大西まお)

※写真はイメージです

お話をお聞きしたドクター 産婦人科専門医・医学博士 宋美玄 先生 大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事。

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この記事の執筆者 大西まお 編集者・ライター。出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。■Twitter

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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