多世代が交わるなかで、“やりたい”が見つかり実現できる。

2022年12月23日(金)12時0分 ソトコト

若者の居場所があり、見守る大人がいる。安心感あふれるまち。


まず、山本正德(まさのり)・宮古市長より、インプット・トークとして宮古市の魅力や取り組みについての紹介がありました。そして、『みやっこベース』理事長の早川輝さん、『ソトコト』編集長の指出一正、ファシリテーターの『エイチタス』代表・原亮さんを交えて、トークが繰り広げられました。





「本州最東端に位置する宮古市は、森から流れる川が大海に注ぐまちで、森・川・海の自然豊かなところです」と山本市長。「港町なので、江戸時代から交流の拠点でした。最近は、市内企業へのインターンシップなどをきっかけに、地域の人たちとつながり、移住する若者も増え始めています。昔も今も人とのつながりが多いまちなんです」と話します。


海の幸・山の幸など、食が豊かなのも魅力。そして、子育てしやすい環境をつくるための、手厚い子育て支援も特徴です。「給食費のほか、高校生まで医療費も無料。子どもの成長や子育てなどの相談を受け付ける『こども発達支援センター』の設置も独自に行っており、『子どもを幸せに育てるまち』を目指しています」と山本市長は強調しました。








ここまでの山本市長の話を受けて、指出は次のようにコメント。「宮古には閉伊川というすばらしい川がありますよね。僕はサクラマス釣りが好きなので、川魚の宝庫である閉伊川(へいがわ)を有する宮古は憧れの地なんですよ。宮古は流域を認識しやすいまちなので、自分の暮らしがどこで始まり、どういう循環をしているかがわかる。とても安心して生活できる環境がありますね」。それに対し、山本市長は、「平成17年に、田老町(たろうちょう)と新里村(にいさとむら)、平成22年に川井村(かわいむら)が加わって今の宮古市になったのですが、まちを西から東に流れる閉伊川は、合併した町村も含め、われわれの気持ちをひとつにまとめてくれる川なんです」と話しました。





ここで、『みやっこベース』理事長の早川輝さんが自己紹介。「東日本大震災後に災害ボランティアで宮古に入り、最初は2週間の予定だったのですが、やれるだけやろう! と思い、復興やまちづくりへの関わりを深めていきました。まちのみなさんが温かく受け入れてくれたこともあり、そのまま居ついています。2013年に『みやっこベース』を立ち上げ、地域と関わるきっかけとなる場所として、若者向けのフリースペース『みやっこハウス』を運営しています」。





『みやっこベース』について、山本市長は、「子どもたちが何かやりたいと思ったときにサポートしてくれたり、進路を決めるときに相談できたりと、頼もしい存在です」とコメント。また指出は、「『みやっこハウス』は、自分のまちで大好きな友達との楽しい思い出がつくれる、とても素敵な場所ですね。子どもたちが何かやろうとするときに、0・1ではなく、1を1.5にするような、よい補助輪になっていると思います」と述べました。





「『みやっこベース』の活動によって、まわりの大人や地域はどのように変化してきましたか?」というファシリテーターの原さんの質問に、早川さんは「高校生たちの活動を地域が応援してくれるようになり、活動を広げやすくなりました」と回答。また山本市長は、「高校生の視点は大人の視点とは違うので、新鮮な発見や学びが多々あります。それをまちづくりに生かしていきたいと思っています」とコメントしました。





インプット・トークの最後に、指出が「閉伊川の流域から考える関わり、地域外との関わり、そして地域における多世代の交流など、宮古には立体性に富んだ“関わりしろ”がありますね」と述べて、前半を締めくくりました。


宮古の素敵な大人に惹かれて移住した若者たち。


後半は移住経験者・移住支援者が登場。それぞれ自己紹介を行いました。


宮城県・丸森町出身の八島悟さんは、2022年4月に夫婦で宮古市に移住しました。現在、宮古市地域おこし協力隊隊員として、移住やU・Iターンを希望する人に向けた情報発信を行うかたわら、『花坂印刷工業』で動画制作なども手がけています。「移住を決めたのは、宮古の素敵な大人の存在が大きかったですね。一緒に活動したいと思いました」と話します。





八島悟さんの妻・八島彩香さんは宮古市出身。大学・就職のため宮城県で8年間過ごし、Uターンしました。「高校2年生のときに早川さんと出会い、復興に向けて自分たちに何ができるかを考え、宮古をフィールドに活動していました。宮城で働いていたときも、宮古に関わりたいと、リモートで『みやっこベース』の広報を担当していました。子どもや若者が豊かに暮らせるよう、仲間を増やしながら、『みやっこベース』の活動を広げていきたいと思っています」。


3人目の瀬戸里奈さんは、宮城県塩竈市出身。「大学時代に『共和水産』でインターンをしたのがきっかけで、宮古には長期休みのたびに遊びに来ていました。そしてインターン先にそのまま就職し、今年4月から、『共和水産』の代表取締役、通称“イカ王子”の秘書を務めています。宮古でがんばっている大人たちに惹かれました。宮古の大人たちがいれば大丈夫だという安心感がありますね」と話しました。


そして、参加者を交えての「ブレイクアウト・セッション」がスタート。移住者と参加者が小グループに分かれて交流を行いました。ブレイクアウト・セッション後、参加者からは、「宮古市のみなさんが楽しんで地域に関わっているのが素敵ですね」「若い人たちが学生と地域住民の懸け橋になるという視点が新しいと思いました」「宮古でがんばっている人を応援していきたいです」といったコメントが寄せられました。最後に山本市長が「まず宮古に来て、宮古のことを知っていただけたらうれしいです」と述べ、無事に閉会。宮古のまちの温かさや安心感が伝わってくるような2時間でした。





今回の「結びの一言」は、山本市長のコメントより!


「チャレンジ」は人によってさまざまだと思いますが、私は、「ひとりではなくみんなで生きていく中で、まちがずっと続くように、それぞれががんばること」だと考えています。自分らしさを表現しながらがんばっているみなさんの姿を、これからも応援していきます。


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text by Makiko Kojima

ソトコト

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