チキチキペンギンレース会場はこちらです。南極で3羽が競うように走る!走る!

2025年5月26日(月)22時0分 カラパイア


Photo by:iStock


 氷の上を3羽のペンギンが一斉にスタート!我先にと競うように猛ダッシュしながら走っていく光景が南極半島のウクライナ南極観測所の隊員たちによってとらえられた。


  「よーし!誰が一番早いのか競争だ!」とでも言いたげな走りっぷりだが、その真相はもちろん不明。


 ただひとつ確かなのは、3羽ともすごい勢いで他のペンギンには目もくれず、一直線にどこかを目指して突っ走っていたこと。そしてその姿が、どうにもかわいすぎたことだ。……っていうかゴールはどこ?


3羽のペンギンたちのチキチキレースが開幕!


 南極半島の北西、ガリンデズ島にあるウクライナ南極観測所近くでは、日常的にペンギンたちの姿が観察されている。


 とくにここには、ペンギンの繁殖地があり、極観測所の近くでは、毎年多数の個体が営巣してしている。


 そんな中、観測隊員が撮影したのは、3羽のペンギンがほぼ同時に駆け出すという珍しい瞬間だった。


 いったい彼らに何が起きたのだろう?おいしいお魚をかけたレースでもはじまったのかな?



Національний антарктичний науковий центр


 一等賞目指して3者三様に氷の上を走る!走る!走る!斜面のあるところはお腹を利用して滑る技は認められているようだ。


 というか水の中で速く泳げるのは知っていたけど、氷の上でもこんなに速く走れることに驚いたわ。



Національний антарктичний науковий центр


ペンギンはやればできる子、走りも速い


 このペンギンは、頭の上の白い帯のような特徴からジェンツーペンギンである可能性が高い。ペンギンといえば、普段はヨチヨチと歩くのんびり屋に見えるが、実は状況に応じて移動方法をうまく切り替えている。


 氷上では滑るように移動する「トボガニング」(腹ばい滑走)を使うこともあり、急ぐときには小走りで素早く進むこともできる。


 アデリーペンギンほど頻繁ではないものの、ジェンツーペンギンも場所によっては利用しているようだ。



Національний антарктичний науковий центр


  一方で、水中に入った彼らはまるで別の生き物になる。流線型の体と強靭な脚力を駆使して、最高時速36kmのスピードで泳ぐ。これは全ペンギン種の中で最速とされており、「小さな魚雷」と形容されるのも納得だ。


 地上では比較的のんびりと、省エネルギーで行動することが多いが、こうしたギャップがまた彼らの魅力でもある。今回のように氷の上を一斉に走る姿が撮影されたのは、そんな“意外な一面”を垣間見せてくれた貴重な瞬間だったのだ。



なお、レースの目的は謎


 この3羽がなぜ一斉に走り出したのか、観測隊も正確な理由はわかっていない。Facebookの投稿では「オキアミの割引セールが始まったのか、それとも巣作り用の小石を運んでいたのか?」と冗談まじりに紹介されていた。


 ペンギンは繁殖期に石を集めて巣を作る習性があり、時には仲間の巣から石を盗むことさえある。今回の走りも、そんな重要任務の真っ最中だった可能性は十分にある。


 また、ペンギンは、高度な社会生活を営むことで知られている。数百〜数千羽の集団で繁殖地を形成し、互いに鳴き声や動きでコミュニケーションをとりながら行動する。


 賢くて非常に好奇心旺盛な性格をしており、若い個体を中心に、追いかけっこや意味のなさそうな滑走など、“遊んでいるように見える”行動も確認されている。


 今回の3羽も、もしかしたら誰かが急に走り出したのをきっかけに、「自分の方が速いぜ!」、「じゃあ競争だ!」と始まったものかもしれない。


 理由があるのかないのか、それすらもわからないところがまた、彼らの魅力であったりするんだ。


追記(2025/05/27)当初アデリーペンギンと紹介しましたが、ジェンツーペンギンの誤りでした。本文を修正して再送します。

カラパイア

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