令和6年能登半島地震 地震活動の状況まとめ(6日20時) 回数減少も急に強い揺れ

2024年1月6日(土)22時0分 ウェザーニュース

2024/01/06 22:03 ウェザーニュース

1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6 最大震度7の地震(令和6年能登半島地震)から5日がたち、地震回数は徐々に減少傾向となっています。
一方で、今日6日(土)は3日ぶりに震度5強の地震が発生。過去にあった近い規模の地震では、1か月後に最大余震が発生した事例もあり、油断ができません。
6日(土)20時までの地震活動の状況をまとめます。

地震の回数は徐々に減少傾向

最大震度1未満の地震を含む地震 MT図

1日(月)16時以降の震度1以上の地震の回数を集計すると、1日が358回、2日が387回、3日が135回、4日が65回、5日が79回、6日が47回(20時まで)となっています(5日までは気象庁の報道発表、6日は速報値による集計)。累計回数は1071回、うち最大震度5弱以上の地震は14回となっています。
3日(水)午後以降は震度5弱以上を観測する地震が発生していませんでしたが、今日6日(土)5時26分におよそ3日ぶりに最大震度5強を観測する地震が発生しました。
記事冒頭の図でわかるとおり、震源域は1日(月)の頃から大きくは変わっておらず、石川県西方沖〜佐渡島の西にかけての約150kmの範囲に集中しています。
体に感じない地震を含めて集計し、規模と時系列を表した散布図(MT図)をみると、マグニチュード4程度以下の地震は徐々に減少傾向ではあるものの、依然としてM5前後の地震が散発的に起きていることがわかります。

本震—余震型の傾向か 1か月後に最大余震発生した事例も

能登半島周辺で2020年から続いている地震活動では、これまでの最大は2023年5月5日のM6.5 最大震度6強の地震でしたが、今回のM7.6の地震はその30〜60倍程度のエネルギーということになります。日本周辺で発生した地震でみても、深発地震を除けば2011年3月の東北地方太平洋沖地震の一連の活動以来の規模といえます。
地震活動の状況からは、過去数年間に能登半島周辺で発生していた群発的な地震活動型とは違い、従来から他の地域でもよくみられる本震—余震型の傾向がみられます。今後も徐々に地震の回数が減少していくと考えられます。
ただ、強い余震がいつまで続くかは予測することができません。過去の本震—余震型の地震をみても、数週間から数ヶ月たった後にM5〜6クラスの余震が発生しているものもあります。今回の地震の規模に近い事例をみると、1983年に発生したM7.7の日本海中部地震、1993年に発生したM7.8の北海道南西沖地震では、ともに本震のおよそ1か月後に最大余震が発生しています。
これまでに建物がダメージを受けていた場合、余震によって倒壊するなどのおそれがありますので、引き続き安全な場所で過ごすようにしてください。

一連の最大となった地震の概要

震源地:石川県能登地方
規模(マグニチュード):M7.6
震源の深さ:16km
各地の震度(震度6弱以上)
■震度7:
【石川県】志賀町香能
■震度6強:
【石川県】七尾市垣吉町 七尾市能登島向田町 輪島市鳳至町 輪島市河井町 珠洲市三崎町 珠洲市正院町 珠洲市大谷町 穴水町大町
■震度6弱:
【新潟県】長岡市中之島
【石川県】志賀町富来領家町 志賀町末吉千古 七尾市本府中町 七尾市袖ヶ江町 中能登町末坂 中能登町能登部下 能登町宇出津
この地震により、一時は石川県に大津波警報が、北陸地方などに津波警報が発表されていましたが、いずれも時間の経過に伴う減衰により解除されています。
観測された津波の高さは、最大の輪島港で「1.2m以上」と発表されていますが、現時点では能登半島周辺の正確な津波の高さはわかっていません。
国内で震度7を観測するのは2018年の胆振地方中東部の地震以来で、そのほかには熊本地震、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震、新潟県中越地震など、いずれも大きな被害をもたらしたものばかりです。石川県内で震度7を観測するのは観測開始以来、初めてでした。
出典
震央分布データ:気象庁HPより

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