【精神科医が教える】頑張るほど損をする人のジレンマ・ワースト1

2024年3月28日(木)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【精神科医が教える】頑張るほど損をする人のジレンマ・ワースト1

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誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

Photo: Adobe Stock

「もったいない」のジレンマ

お金や労力をかけたものを大切にするため、無駄にしないように努めることがあります。

しかし、その考え方が逆効果になる場合もあることに気づいてほしいと思うのです。

これまで一生懸命に費やしたお金や労力が回収不可能になることを「もったいない」と心残りに感じ、さらに多くのお金や労力をかけようとすることがあるのです。

判断力を狂わせる現象

しかし、そうした心理が足かせになって、さらに大きな無駄を積み重ねる「沼」にハマることもあります。

これは、サンクコスト(回収できない埋没費用)の観点から考えると理解しやすいです。

すでに使ったお金や労力が惜しくて「もったいない」という心理が働き、合理的な判断ができなくなってしまう現象は「サンクコスト効果」と呼ばれます。

コンコルドの過ち

有名な例として、1969年にフランスとイギリスが共同で開発した世界初の超音速旅客機「コンコルド」があります。

コンコルドを開発するプロジェクトでは、両国から多額の予算と優秀な人材がつぎ込まれ、1976年に初フライトを成功させましたが、その後、まったく採算がとれませんでした。

しかし、過去の投資を無駄にしなたくないため、無理に運行が続けられた結果、2000年にパリ郊外で墜落。悲劇的な事故につながったこともあり、ようやく2003年になって退役しました。

引くに引けずに膨大な赤字を残して消滅したこの事例は、「コンコルド効果」とも呼ばれます。

目の前の損失よりその先の大きな損失

このように、過去に金銭・精神・時間的な投資をしたからといって、無理に続けてしまうと、さらに大きな損失を招くことがあるのです。

アテクシは最近、生活スタイルの変化から、新しい家に引っ越しをしたのですが、その前に住んでいた一軒家には、多額の費用をつぎ込んで自分好みにリフォームしていました。

お金も労力も注ぎ込んだので、もったいないといえばもったいないのですが、思い切って売却。これもサンクコスト効果を避けるための判断でした。

人生でいちばん大切なもの

アテクシは常々、人生でいちばん大切なものは「時間」だと思っています。

お金や労力を失うよりも、貴重な時間や生活の質を失うことのほうが「もったいない」のです。

時間の有効活用こそが、本当のもったいなさを避ける秘訣なんだと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

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