《懲役は…》14歳少女をレイプするために老人2人を殺害「精神障害がある20歳男性」のその後(2014年の事件)

2025年3月31日(月)12時10分 文春オンライン

〈 「助けて!!」逃げてきたのは下着姿の14歳少女…祖父母は殺されたのに「彼女だけ殺人犯に生かされた」恐るべき理由(2014年の事件) 〉から続く


「若い女性にイタズラしようと思い、家に入ったが、おじいさんとおばあさんに見つかったので刺した。女の子を強姦するつもりだったが、途中で逃げられた」


 身勝手な理由から2人の老人を殺害した犯人。死刑になってもおかしくない犯行の男にくだされた罰とは…? 2014年に起きた事件の顛末を、ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『 実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/ 最初 から読む)



なぜ2人の老人は殺されなければならなかったのか…。写真はイメージ ©getty


◆◆◆


老人を殺したあとは孫娘にイタズラを…


(おじいちゃんもおばあちゃんもこの男に殺されたんだ…。このままでは私も殺される…)


 華菜さんは抵抗せずに2階の自分の部屋に入った。男は包丁を突き付けたまま一緒に入ってきた。


「よし、うつぶせになって後ろで手を組め!」


 言われるがままに布団の上でうつぶせになると、男が足の上にまたがり、粘着テープでジャージの上から手首をグルグル巻きにしてきた。


「ズボンも脱ごうか」


 ここで男の目的がレイプだと気付いた。華菜さんはジャージのズボンを脱がされ、パンティーが丸出しになった。男は持参したローションを取り出し、ニヤニヤと笑っている。


(こんな男にレイプされるなんて…。殺されるよりはマシかもしれないけど…、でも、イヤだ!)


 華菜さんは何とかして逃げだそうと手首を動かし続けていると、粘着テープが緩んだので、とっさに起き上がった。男は「待て!」と言って後ろから上着をつかんできたが、スポッと体からジャージが抜けた。そこからどう逃げたのかは覚えていない。絶叫して階段を駆け下り、血の海の廊下を走り、玄関を出て二軒隣の叔父の家へ。チャイムを鳴らしても応答はなかったが、庭にいた叔父が声を掛けてきた。


 叔父の通報で警察が駆け付け、祖父母の死亡が確認された。祖母はノドを3カ所刺され、祖父は7カ所刺されていた。警察は殺人事件とみて捜査を開始した。


 一方、関口はいったん自宅へ帰って血の付いた服を脱ぎ、シャワーを浴びてから新しい服に着替えた。


 刃に付着した血痕を拭き取り、再びそれを持って外に出た。


「百円ショップで客を襲って大量殺人をしよう」


「もう後戻りはできない。もっと人を殺せば死刑になるだろう。百円ショップで客を襲って大量殺人をしよう」


 だが、その途中で警察官に呼び止められた。振り切って逃げようとしたが、アッという間にパトカーが集まり、逃げ場を失って逮捕された。


「若い女性にイタズラしようと思い、家に入ったが、おじいさんとおばあさんに見つかったので刺した。女の子を強姦するつもりだったが、途中で逃げられた」


 検察は関口に精神科への通院歴があったことから、3カ月間の鑑定留置を実施したが、「刑事責任能力を問える」と判断し、殺人罪で起訴した。その上で「人を殺してでもわいせつ目的を遂げたいという自己中心的な思考を持ち、生命軽視の態度も顕著だ」と糾弾し、死刑を求刑した。


 一方、弁護側は「犯行は女性の太ももに異常な性的興奮を覚える精神障害が大きく影響した」として、死刑回避を求めた。


凶悪犯にくだされた罰は…


 九死に一生を得た華菜さんは「私は助かったけど、おじいちゃんとおばあちゃんは死んでしまった。もう話をすることもできないし、悲しいです…」と訴えた。


 現場の家は誰も住めなくなり、売ろうにも売れない事故物件となっている。突然に命を奪われた老夫婦が浮かばれることはない。


 それなのに裁判所は「いきなり首を刺す犯行態様は強固な殺意が認められるが、犯行の出発点となる被告人のフェティシズム障害は社会生活に影響を及ぼすほど進行していた。死刑が真にやむを得ないとまでは認められない」として、無期懲役を言い渡した。


 精神障害というのは、そこまで死刑への高いハードルになるのだろうか。


(諸岡 宏樹/Webオリジナル(外部転載))

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