「ダダ漏れ」批判の静岡県警が一転? 広末涼子さん、釈放シーン撮影逃すテレビ続々
2025年4月16日(水)11時25分 J-CASTニュース
2025年4月8日に傷害の疑いで現行犯逮捕された女優の広末涼子さんが、16日朝に釈放された。
捜査情報が次々に報じられ、過熱するメディア報道に批判が集まっていたが、釈放現場を撮影できたメディアは少ない。静岡県警の対応に変化があったとみる向きもあるようだ。
「本人は、過去を含め、薬物に一切関与しておりません」
広末さんの釈放後、所属事務所のRHはトップページにお知らせの文書を公開し、「本件の被害者の方々に対し、心より深くお詫び申し上げます。また、関係者の皆さまにも、ご心痛、ご負担をおかけしたことを真摯に受け止め、誠実に責任を果たしてまいります」と伝えた。
鑑定結果のほか、「家宅捜査においても薬物が押収されたという事実はございません。本人は、過去を含め、薬物に一切関与しておりません」と薬物疑惑に反論した。
「広末涼子本人は、被害者をはじめ多くの方々に多大な迷惑と混乱を与えてしまったことを大変申し訳なく思っており、深く反省しております」とした上で、今後について「本人には、精神的に不安定な状態がみられたこともあり、今後は適切な医療機関にて診断を受けた上で、医師の指導のもと、慎重に治療と健康回復に努めてまいります」としている。
こうした中、SNSで注目を集めているのは、広末さんをめぐるメディア報道のあり方だ。
「『悪い』のは情報を流した側、すなわち警察」
広末さんは交通事故を起こして搬送された先の病院で医療関係者をけがさせたとして、8日に現行犯逮捕された。各メディアでは本人だと断定される前から、静岡県警の発表に準拠する形で「自称・広末涼子容疑者」と速報。広末さんの過去の映像を流すニュース番組もみられた。
その後、広末さんが事故を起こす前に立ち寄ったサービスエリアで他人に話しかける、取り調べ中に大声を上げるなど落ち着かない様子が続いていたこと、薬物検査を行う予定であることも報じられ、SNSでさまざまな憶測が投稿された。
こうした中、SNSでは広末さんへの心配の声のほか、過熱するメディア報道に疑問の声が上がっている。
一部のテレビ番組では、取り調べ時の様子をCG再現したVTRや、家宅捜索の報道に際し、広末さんの自宅周辺の様子など、広末さんのプライバシーに関わる情報を放送するケースもみられた。
朝日新聞は15日朝刊で、今回の事案をめぐる報道のあり方を特集。ウェブサイトにも「著名人の逮捕報道、過熱を危ぶむ声 専門家ら『法や人権ないがしろ』」の見出しで記事を載せた。ルポライターの安田峰俊さんは、コメント欄に「悪いのはマスコミでしょうか?」「同じく『悪い』のは情報を流した側、すなわち警察(静岡県警)であるといえます」と書き込み、警察側のスタンスにも問題があると指摘していた。
日テレ系は撮影に成功
16日午前6時20分頃に釈放された広末さんだが、その瞬間を捉えたメディアはごくわずかだった。
静岡第一テレビ(日本テレビ系)は黒のパンツスーツで正面玄関に現れ、一礼して車に乗り込む様子を映していた。一方、「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では、日刊スポーツの静止画を流して解説を行っていた。
静岡放送(SBS、TBS系)は、広末さんが勾留されていた浜松西警察署の前から中継を行ったものの、「広末さんを処分保留のまま釈放したと発表」と伝え、釈放の様子を直接報じてはいない。
こうした報道の差が生まれた背景には、大半の社が広末さんの釈放のタイミングを事前に把握できなかったことがあるとみられている。これまでの批判を受け、警察側の姿勢に変化があった可能性がある。