情報公開請求者の人物像を調査、名古屋市の所管部署が謝罪…個人情報の不祥事相次ぐ
2025年4月18日(金)16時17分 読売新聞
市職員の個人情報の違法収集について謝罪する市スポーツ市民局の幹部(17日、名古屋市役所で)
名古屋市で個人情報保護や情報公開を担当する市政情報室長(当時)らが昨年、情報公開請求をした男性の個人情報を違法に収集していた問題で、所管する市スポーツ市民局は17日、記者会見を開き謝罪した。同局の内部調査に、室長ら2人は違法な収集との認識はなかったと説明したという。市では職員の個人情報に関する不祥事が相次ぎ、同局は法令の周知を徹底する。
市や関係者によると、市政情報室長は昨年1月頃、消費生活課長(当時)に男性の氏名を伝え、男性がどのような人物なのかなどを探るよう依頼。課長は男性の職場の職員と接触し、男性に講演の依頼を検討しているなどとして人物像を聞き出し、室長へと伝えた。
市は2人の行為を個人情報保護法と地方公務員法の違反に当たると認定し、昨年12月、同局長の厳重注意処分とした。
会見で臼井佐枝子総務課長は「個人情報の適切な取り扱いを管理する立場の室長が、法に抵触する行為をしていたことを非常に重く受け止める」と謝罪した。
個人情報の取り扱いを巡っては昨年12月、知人女性の住所などを漏らすように依頼したとして、愛知県警が同市守山区の職員を地方公務員法違反の疑いで逮捕。依頼を受け、女性の住所や家族構成などの情報を印刷し手渡した同区職員も書類送検され、両職員は名古屋簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた。当時、広沢一郎市長は「個人情報の取り扱いに不十分な点があった」などと述べていた。