「大丈夫や!」と臨んだ講座、痛い目を見ることに…[千春&明夏の女流棋士ここだけの話]
2025年4月22日(火)15時43分 読売新聞
広島のイベントにて。反省ばかりでしたが、もみじ饅頭には癒やされました
みなさんこんにちは。囲碁棋士の塚田千春です。
このコラムがスタートして、早いもので2年がたちました。読んでくださっている皆さまのおかげで、ここまで続けることができました。本当にありがとうございます。これから迎える3年目も、どうぞよろしくお願いいたします。
人前で講義、2回目の経験
先日、広島で開催された囲碁のイベントで、囲碁講座を担当する機会をいただきました。大盤解説の聞き手や指導碁など、ファンの皆さんと接する機会は決して少なくはないのですが、人前で囲碁について講義をする「講座」というのは、実はこれが2回目の経験です。
初めて講座をやったときは「人前で話をするなんて!! どうしよう」と大いに戸惑ったのですが、当日は先輩の助け舟もあり、自戦譜について何とか30分話すことができました。ところが、2回目の今回、私はなぜか「何とかなるでしょ! 大丈夫や!」と謎の自信をもって、当日を迎えてしまい……。はい。その通り。大いに痛い目を見ることになりました。
「助け舟が呼べない!」
前回と違ったのは、私が講座をする時間、先輩方は指導碁の真っ最中だったこと。講座が始まった直後に「助け舟が呼べない!」と気付いた時には、すでにあとの祭りでした。
今回も自戦譜がテーマで、話すことは事前に頭の中でまとめていたつもりです。ただ、講座が始まる直前に突如、緊張感が! お客さんも2、30人と、結構多くの方がいらしてくださり、その皆さんの目が一斉に私に注がれていると思うと、頭の中が緊張で真っ白になってしまいました。出だしから、しどろもどろになってしまい、最後はゴニョゴニョ全く何を言いたいのか分からない状態に……。お客さんを前にして消えてしまいたいような気持ちになりました。
振り返ると反省しかありません。ただ一方的に自戦譜を解説するだけではなくて、クイズを出してお客様と一緒に考えたり、質問してもらったりをなぜしなかったんだろう。もっとお客様に楽しんでもらえるように工夫すればよかった……。時間を割いて私の講座に来てくださった方、本当にごめんなさい。
参加者を引き込む「師匠」
同じイベントにいらっしゃった吉川一四段の講座を聞かせていただいたのですが、とにかく分かりやすくて面白い! 特に参加者をぐいぐい引き込む工夫が随所に見られ、参加者が飽きることなく、集中していられるような構成はまさに「講座のお手本」! 心の中で「講座の師匠見つけた!」と思いました(笑)。
次に講座を担当させていただく機会があるなら、今回の反省を生かしてお客様としっかりコミュニケーションをとりながら、みんなで楽しめるものにしていきたいと思います。吉川先生、しゃべりのご指導よろしくお願いします!