LGBTの学童クラブ支援員に「自分のことはさらけ出すな」「ウソをつけ」…町教委課長らが強要
2025年4月25日(金)19時52分 読売新聞
辰野町教育委員会の会見後、取材に応じる伊東さん(16日)
長野県辰野町教育委員会は16日、学童クラブに勤務していた性的少数者(LGBT)の支援員に対し、上司が子どもたちにウソをつくことを強要するなど不適切な言動があったとする報告書をまとめ、公表した。
不適切な言動を受けたのは、バイセクシュアルであることを公表し、音楽活動をしている伊那市の伊東麗奈さん(20)。伊東さんは自分がLGBTと伝えた上で、昨年採用されたが、男性担当課長や女性主任計3人から同7〜11月に不適切な言動を受けたことを理由に12月に退職した。
報告書では、伊東さんは学童クラブでLGBTと思われる男児から相談を受けるなどしていたが、「子どもたちの前でLGBTの話はするな。子どもたちにLGBTはいない」「自分のことはさらけ出すな」などと言われたり、伊東さんの写真が使われたLGBT関連ライブのポスターについて「児童から質問があってもごまかせ。ウソをつけ」などと言われており、不適切な言動だったと認定した。
記者会見した宮沢和徳教育長は「つらく苦しい思いをさせてしまい、深くおわびする」と謝罪。会見後、伊東さんは「子どもにウソをつけと言われたことが一番つらかった。子どもたちの中にも性的少数者の子が確実にいるので、自分らしく生きていけるようにしてほしい」と訴えた。