オール沖縄「市長ゼロ」続く…うるま市長選挙で保守系現職が再選
2025年4月29日(火)17時7分 読売新聞
沖縄県
27日に投開票された沖縄県うるま市長選で、自民党が公明党とともに推薦した保守系現職が再選を果たした。保守分裂による苦戦も予想されたが、夏の参院選に弾みをつけた形だ。玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力は退潮傾向が鮮明で、県内で「市長ゼロ」が続いている。
市長選は、現職の中村正人氏(60)に、玉城氏が支援した革新系の前県議、自民党沖縄県連会長を務めた元県議が挑む三つどもえの構図だった。うるま市は玉城氏の出身地でもあり、当初は保守票が割れ、オール沖縄勢力が有利になるとの観測もあった。
自民は、中村氏の総決起大会に知名度の高い小渕優子・組織運動本部長らを投入し、「政府とのパイプ」を積極的に訴えた。ふたを開けてみれば、革新系候補に約7000票の差をつける大勝で、自民県連幹部は「いい流れだ。連敗が続く参院選の沖縄選挙区でも勝利し、来年の県知事選での県政奪還につなげたい」と語った。
一方、玉城氏は28日朝、沖縄県庁で記者団を前に、市長選の結果について「意外に差が開いた」と肩を落とした。オール沖縄勢力は1月の宮古島、沖縄両市長選に続く敗北となり、オール沖縄系市長が県内全11市でゼロの状況を解消できなかった。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事が進む中で、移設反対で結集してきたオール沖縄勢力は、求心力の低下に歯止めがかからなくなっている。参院選に向け、支援体制を再構築できるかが課題となる。