下関市長が「2地域居住」へ、「新しいことに挑戦」と築30年の空き家賃借…ウナギやカニ楽しみ
2025年4月29日(火)15時23分 読売新聞
2地域居住の実践を記者会見で発表した前田市長
山口県下関市の前田晋太郎市長は28日の定例記者会見で、5月から同市北部の豊北町の空き家を個人で賃借し、市中心部の自宅と合わせて「2地域居住」を始めると発表した。2地域居住の普及や空き家対策を進める観点から自らが先頭に立って実践し、市内外にアピールしたい考えだ。
2地域居住は平日に職場のある都市部で暮らし、休日に地方で地域活動を行うなど、二つの地域に生活拠点を設けることを指す。人口減少や東京一極集中に歯止めがかからない中、政府が普及に力を入れている。
前田市長は「下関市は都会と田舎を共存させており、市内で2地域居住ができる」と、「下関方式」の利点を強調。3月の市長選で3選されたことを機に「新しいことに挑戦したい」と考え、海などの自然に恵まれ、古い建物や空き家をリノベーションする動きが活発化する豊北町を実践の地として選んだことを説明した。
賃借するのは角島にかかる角島大橋の本土側、豊北町神田地区にある築約30年ほどの木造2階建て。契約は5月1日からで、最初は同4日に家族で日中を過ごす。その後は市北部で公務がある時に合わせて月1回程度、滞在する予定。住民票は現住所のままという。
同町では好物のウナギやアユ、カニを味わうことなどが楽しみといい、「魅力ある暮らしを体験・情報発信することで共感が広がり、空き家対策にも好循環が生まれれば」と話している。