トランプ関税で株価暴落でもやってはいけない!新NISAで損するNG行動3

2025年5月3日(土)6時0分 女性自身

2024年からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は国民が老後の資金準備や将来への備えをしやすい環境を整えることを目指して作られた制度。口座開設数は2560万4058口座、年間の新規買い付け額は17兆4485億2714万円にものぼります(金融庁「NISA口座の利用状況調査 2024年12月末時点(速報値)」より)。


現在、アメリカのドナルド・トランプ大統領の関税政策による先行き不透明感から日経平均株価、米国のS&P500インデックスをはじめ市場が不安定な状況にあります。新NISAで“投資デビュー”をされた方は、日々の株価の乱高下に気が気でないのでは?


じつは株価が急落しても絶対にやってはいけないことがあるそうです。特にNISAで投資信託などの運用を始めたばかりの“投資初心者”が株の下落でやりがちなNG行動3選と、正しい対処法をファイナンシャルプランナー・横田健一さんに指南して頂きました(以下、横田さんの話)。


【1】「市場の動きに応じて買ったり売ったりしないで!」


全世界株式インデックス(オール・カントリー)のような分散された投資信託を長期投資する方は、一時的な市場の変動に応じて「トランプ関税ショックで下落したから売りだ!」「ロシア・ウクライナ戦争が停戦合意したから買いだ!」とかのトレーディング的な発想で売買しないことが大事です。


当然歴史的に見れば暴落なんてよくありますよ。最近だと2020年のコロナショックです。3月に大暴落したんです。でも12月には最高値更新みたいに、何事もなかったように復活しちゃってるわけですよ。だからそんなのでいちいち不安になっている場合ではありません。


過去35年の全世界株式インデックス(オール・カントリー)のチャートを振り返ってみると2008年のリーマンショック前の最高値から最大61.4%暴落しました。そこから再び暴落前の数値に回復するまで74カ月(6年2カ月)。最長となる1997年のアジア通貨危機および2000年のドットコムバブルを含む局面でも86カ月(7年2カ月)で回復しています。ですから10年、20年スパンの長期で投資に取り組むのであれば、たかだか4年任期のトランプ政権での「関税ショックだ!」とかの雑音にいちいち惑わされている場合じゃないです。


【2】「そもそも市場を見ないで!」


「今日○○%下がった!」とか「為替が円高だ!」とか。見過ぎちゃうと不安になります。でも毎日の動きを見なかったら1年後にフタを空けて「去年と全然変わってないな」とか「3%上がったのか」ってなって何の焦りもないわけですよ。過去のデータだと数年後には回復する訳ですから。しょっちゅう見るから不安になって1で触れた売買したくなる衝動に駆られるんです。


とにかく見ないということです。投資で一番儲かる人はどんな人かというと「投資したことを忘れている人」か「亡くなられた人」という話があるぐらいですから。


【3】「金融機関の言いなりにならないで!」


銀行や証券会社などの金融機関の対面での案内。「市場が下がったんで、お客様のお持ちの投資信託は見込みがないので、新しいいい商品が出てきたので、そちらに乗り換えましょう」みたいな提案をされて、「じゃあそうしましょう」ってなるとします。すると手数料はかかるし、売って乗り換えた結果、元の商品よりいい結果になるとは限りません。ですから「売買しましょう」という営業活動に乗っかってはいけないということです。


金融機関がよく提案している、手数料が高いアクティブファンド(運用担当者が独自の判断で銘柄を選ぶ投資信託)は米国株式ファンド(S&P500)のような市場全体の指数に連動するインデックスファンドに9割以上負けているというデータがあります。しかも平均パフォーマンスでも5%以上の差をつけられているのです。ちなみに手数料はアクティブファンドに比べてインデックスファンドの方が圧倒的に安いです。


■「投資に回すお金と生活のお金」を区別しておこう


最後に皆さんに伝えたいのは、そもそも投資に使うお金は10年20年使う予定のないお金で運用していくべき、ということです。つまり余剰資金なわけですから一時的に下がってもそんなのは無視して、とにかく持ち続ければいいんです。


そういった投資に回すお金と普段の生活で使うお金、とっておくお金、もうすぐ使うお金、老後に使うお金をちゃんと区別しておくことが大切です。「それぞれどれぐらいの金額が適切なのか」など詳しいことは私の著書『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)をご覧いただければ幸いです(笑)。


(文・構成:インタビューマン山下)


【PROFILE】


1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、「山下本気うどん」プロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中。

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