斎藤元彦知事、消費者庁からの指摘は「アドバイス」との理解 法解釈が「国の公式見解と違う」と言われても
2025年5月9日(金)14時25分 J-CASTニュース
「消費者庁の法解釈はしっかり受け止めなければならない」「これまで述べさせていただいた通り」——。
2025年5月8日の兵庫県知事の定例記者会見で、斎藤元彦知事はこの文言を繰り返し述べた。消費者庁が斎藤知事の発言に対し、「国の公式見解とは異なる」とメールで指摘していたことが明らかとなり、記者から質問が集中した。
国がメールで「法の趣旨の理解」と「適切な対応」を求めるが
斎藤知事は3月26日の会見で、公益通報者保護法の体制整備義務の法解釈を巡り、「3号通報(外部通報)も含まれるという考え方がある一方で、内部通報に限定されるという考え方もある」と発言。これは、県の第三者委員会の報告書を受け開いた会見で、第三者委は告発文書が公益通報者保護法の外部通報にあたると判断していた。
神戸新聞によると、この会見を受けて4月8日、同法を所管する消費者庁が兵庫県に「国の公式見解とは異なる」と伝えた。メールには、体制整備義務の対象に外部への通報が含まれるとした上で、知事や関係部署に法の趣旨の理解と適切な対応を求めるものだったという。
また、4月23日の定例記者会見では、伊東良孝消費者担当相が国会答弁で第三者委員会の見解を肯定したことに対して、斎藤知事は「指摘は真摯に受け止めますけれども、考え方についての違いがあった」と述べ、文書問題は「考え方の違い」であるとの見方を強調していた。
「真摯に受け止めたい」繰り返し
会見では、消費者庁のメールでの指摘に知事がどのような認識であるのか、記者からの質問が集中した。質問に対し、斎藤知事は「一般的な法解釈のアドバイスということで、メールをいただいたと受け止めている。真摯に受け止めたい」と述べ、これまでの発言の修正はなかった。加えて、知事の対応を批判した第三者委の報告書についても「真摯に受け止めたい」との従来の発言を繰り返した。
また、「現時点で、3号通報(外部通報)が来た場合、どう対応するのか」と記者に問われると、斎藤知事は「ご指摘いただいたのは大事な話だが、仮定の話になるので」と回答を避けた。そして、「法の趣旨に沿って、適切に対応する」と述べた。
記者から「消費者庁の見解に沿って対応することなのか」と改めて問われると、「法の趣旨にのっとって、対応する」と同様の言葉を繰り返すやりとりが続いた。