「朝鮮通信使船」261年ぶりに大阪入港…万博の韓国ナショナルデーにあわせ復元

2025年5月13日(火)13時39分 読売新聞

万博にあわせて大阪・南港に入港した「朝鮮通信使船」の復元船(13日午前、大阪市住之江区で)=宇那木健一撮影

 江戸時代に朝鮮王朝が日本に派遣した「朝鮮通信使船」の復元船が、大阪・関西万博にあわせて、会場に近い大阪・南港(大阪市住之江区)に入港した。万博開幕1か月の13日は、韓国の「ナショナルデー」に当たり、この日、南港の岸壁で記念式典が開かれた。通信使船が大阪に来航するのは261年ぶりとなる。

 朝鮮通信使は、室町時代に始まった外交使節団で、江戸時代まで計12回派遣された。朝鮮通信使船が大坂(大阪)を訪れたのは11回目(1764年)が最後。復元船は全長34・5メートル、149トンで、韓国の国立海洋遺産研究所が2018年、原寸大で建造した。

 日韓国交正常化60年で万博開催中でもある今回は、同研究所の研究員ら8人が乗り込み、4月28日に韓国・釜山を出発。対馬(長崎県)、鞆の浦(広島県)などかつての寄港地を訪ね、今月11日に大阪に到着した。

 入港式では、韓国の伝統的な楽器の演奏が披露され、韓国・国家遺産庁の崔應天チェウンチョン庁長は「通信使船は日本と韓国の人の心をつなぐ架け橋。大阪に再びいかりを下ろすことができ、感動している」と話した。

 朝鮮通信使はかつて、大阪で日本側が用意した川御座船かわござぶねに乗り換え、多くの船とともに華々しく京都に向かった。14日には、大阪の市民団体などが協力し、数隻の船で京都・伏見まで航行する予定。復元船は16日朝まで南港に停泊した後、釜山に戻る。

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