なぜ人は嫉妬するのか、子どもの頃にある「決定的なきっかけ」とは?
2025年5月18日(日)7時30分 ダイヤモンドオンライン
なぜ人は嫉妬するのか、子どもの頃にある「決定的なきっかけ」とは?
写真はイメージです Photo:PIXTA
人は、いつ、どんなきっかけで「嫉妬」を感じるのか。幼い子どもが“きょうだい”に対して嫉妬することを例に、哲学者の岸見一郎氏が解説する。※本稿は、岸見一郎『妬まずに生きる』(祥伝社)の一部を抜粋・編集したものです。
嫉妬をしている人たちが他者に敵対心を抱く理由
なぜ、嫉妬する人は他者に対して敵対的になったのか、他のきょうだいよりも優ろうとしたのか(1*)。アドラー(アルフレッド・アドラー)は次のように説明します。
「冷遇されていると感じることから他の形の野心が発達する。これが嫉妬であり、しばしば人間に生涯にわたってまつわりつくことになる」(『性格の心理学』)
なぜ冷遇されていると感じたのでしょうか。生まれてすぐに自分が親から冷遇されていると感じ、嫉妬する子どもはいません。そのように感じ嫉妬するようになったのは、「王座転落」(dethronement)したからです。
(1*)…編集部注/オーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラーは、著書『性格の心理学』のなかで「(嫉妬は)愛の関係における嫉妬を意味しているだけでなく、他のすべての人間関係においても見ることができる。とりわけ、子ども時代には、きょうだいが、他のきょうだいよりも優るために、野心と共に、このような嫉妬も自らの内に発達させ、そうすることで敵対的で闘争的な立場を示す」と綴っている。