電気通信大、東京都の「大学提案制度」で不正…自校提案への投票呼びかける
2025年5月21日(水)13時43分 読売新聞
電気通信大学
東京都が都内の大学教員から事業提案を募り、都民のインターネット投票で採択を決める「大学提案制度」で、電気通信大(東京都調布市)の事務局が同大の提案への投票をメールで呼びかけていたことが、都や同大への取材でわかった。同制度では、提案者側の投票呼びかけを禁止している。電通大の提案は最多得票で2023年度に事業化されたが、今年3月に不正が発覚し、中断された。
投票の呼びかけがあったのは、電通大の教授が提案した「都市型太陽電池による創電・蓄電の強化推進事業」。建物の壁などに設置できる円筒形太陽電池を活用して総発電量を増加させる実証研究を行う。都はこの事業に対し、23年度から3年間で4億9000万円を支援する計画で、うち2億6000万円が支給済みだった。
都によると、22年度には大学側から計40件の提案があり、うち10件について、提案者名と大学名を伏せた上で都民による投票が行われた。電通大の提案は最多の2954票を集めた。電通大の担当者は「投票の呼びかけがあったのは間違いない。現在、学内で調査を進めている」としている。
都と大学の共同事業を巡っては、法政大による資金の不正使用の疑いが浮上し、都は昨年12月、同大との事業を中止した。都の担当者は「不正が起きないように、仕組みの見直しを進めたい」と話している。