江藤農相を更迭、後任に小泉進次郎・元環境相…農協改革経験から米価引き下げに手腕期待

2025年5月21日(水)12時3分 読売新聞

江藤農相の辞任について、記者団の質問に答える石破首相(21日午前、首相官邸で)=川口正峰撮影

 石破首相(自民党総裁)は21日午前、「コメは買ったことがない」などと発言した江藤農相(64)(衆院宮崎2区、当選8回)を更迭した。後任には小泉進次郎・元環境相(44)(衆院神奈川11区、当選6回)を起用する。石破内閣での閣僚更迭は初めて。今夏に参院選が迫る中、政権への打撃は大きく、一時は続投を決めた首相に批判が集まる可能性がある。

 江藤氏は同日午前、首相官邸を訪れ、首相に辞表を提出した。首相と面会後、江藤氏は記者団に対し、「極めて不適切な発言をした。今後、コメの価格(対策)が正念場を迎える。トップを務めるのが私ではいけないのではないかと判断した」と語った。首相が「決断を了とする」と応じたことも明らかにした。

 首相は辞表受理後、いったんは江藤氏の続投を決めながら、判断を翻したことについて、「全て任命権者である私の責任だ。いかなる批判であっても受け止める」と、首相官邸で記者団に語った。後任人事については「農政の改革に意欲、識見を持った方で人選を進めている」と述べるにとどめた。

 江藤氏は18日の佐賀市内での会合で「(コメは)支援者がたくさんくださる。売るほどある」などと発言。コメ価格が高止まりする状況下で農政を預かる農相の発言としては不適切として批判を浴びた。

 首相は19日、厳重注意の上で江藤氏の続投を決めた。価格高騰対策の空白を避けるためだったが、コメ価格が再び上昇に転じる中、江藤氏への国民の批判は強まり、立憲民主党など野党5党は20日、江藤氏の更迭を求める方針で一致。首相が応じない場合は農相不信任決議案の提出を検討する姿勢をみせた。

 自民、公明両党は衆院で過半数を確保できていない少数与党で、野党の足並みがそろえば不信任案は可決される。不信任案に法的拘束力はないものの、可決されれば交代は不可避とみて、追い込まれる前の更迭に踏み切らざるを得なかった。立民の野田代表は21日午後の党首討論で更迭を求める構えをみせていたことから、野党の直接要求を受けて交代させる形を避ける判断も働いた。

 小泉氏は近く、皇居での認証式を経て正式に就任する見通しだ。自民党農林部会長として農協改革に携わった経緯があり、米価引き下げに向けて改革手腕を発揮してもらいたい狙いがある。発信力にも定評があり、コメを巡る国民の不満に対し効果的な打ち出しができることなども期待しているとみられる。

小泉進次郎こいずみしんじろう 44 〈3〉 自民 無 衆〈6〉神奈川11区 ▽環境相、党選挙対策委員長。米コロンビア大院

 *〈3〉は3回目の入閣。無は無派閥。○数字は当選回数。敬称略。

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