社員がインサイダー取引に関与した疑いでIRJを強制調査…証券取引等監視委員会
2025年5月22日(木)22時11分 読売新聞
証券取引等監視委員会
コンサルティング会社「アイ・アールジャパン」(IRJ、東京)の社員がインサイダー取引に関与した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が22日、金融商品取引法違反の疑いで同社本社などの関係先を強制調査したことが関係者の話でわかった。監視委は、東京地検特捜部への告発も視野に調査を進めるとみられる。
同社は1984年創業で、東証プライム上場の「アイ・アールジャパンホールディングス」(IRJHD)の子会社。上場企業の合併・買収(M&A)や株式公開買い付け(TOB)などのコンサル業務を行っている。
関係者によると、この社員は、業務の中で顧客企業の未公表の重要情報を入手し、それを知人に伝えるなどして不正な取引に関わった疑いがもたれている。
IRJを巡っては2022年、IRJHDの元代表取締役副社長がインサイダー取引に関与した疑いがあるとして、監視委が強制調査を実施。元副社長は23年5月、未公表情報を基に知人に株取引を促したとして、東京地検特捜部に同法違反(取引推奨)の疑いで逮捕・起訴され、その後、有罪判決が確定している。
金商法は、職務で知った企業の未公表情報を基に株取引することや、他人に利益を得させる目的で重要事実を伝えることなどを禁じている。IRJHDは22日、「子会社の社員が調査を受けていることは事実。当社グループは調査に全面的に協力する」とのコメントを出した。