「弟の遺体は山の中で見つかりました」姉は生理のお祝いの日にレイプ、弟は殴られながらレイプ…男女関係なく「性的虐待する父親」のもとに生まれた姉弟の悲劇

2025年5月29日(木)12時0分 文春オンライン

〈 「兄は誰にも言うなって」初めてのレイプは小4のとき、母にウソをついたことも…家族から性的虐待を受けた女性が「リストカット」に救いを求めた理由 〉から続く


「弟の遺体は、住んでいる地域とは違う場所の山中で見つかったんです。一人で練炭を使って亡くなっていました」


 幼い頃から父親に性的虐待を受けていた姉弟。その心理的な後遺症は、大人になったあとでも続き、ついに弟は自殺を選択してしまう…。2人の父親はどんな人間だったのか? フリーライターの渋井哲也氏の新刊『 子どもの自殺はなぜ増え続けているのか 』(集英社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/ 最初 から読む)



写真はイメージ ©getty


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父親による悲惨な性的虐待の末に自殺した弟


 小学校3年生のころから児童養護施設に入所する16歳ごろまで、父親から性的虐待を受けてきたリツコ(仮名、50代)。実は、妹も弟も性的虐待を受けており、そのうち弟は、30歳のころ自殺した。子ども時代に受けた性的虐待の被害による心理的な後遺症は、大人になったあとでも続くことが多々ある。


「弟は結婚していて、妻子がいたんです。私と同じことをされていたので、弟が父のことで苦しんでいたことは知っていました。弟の遺体は、住んでいる地域とは違う場所の山中で見つかったんです。一人で練炭を使って亡くなっていました。それまでも精神的に不安定になり、自殺未遂を図ったこともあったそうです。母と妹が住んでいる家に連れて帰ったことがありました。自殺するようなつらい体験は、結婚しても忘れることができなかったのでしょう……。遺書はなかったんですが、葬儀に参列したときには、これでやっと楽になれるのかなと思ったりもしましたが……」


 弟が性的虐待を受け始めた時期ははっきり覚えていない。


「小学3年より前の記憶がほとんどないのですが、私に対する父親からの性的虐待が始まったのは小学3年、9歳だったと思います。私が父から触られるのは当たり前で、お風呂も強制的に一緒に入ってきていました。『足を広げろ』と言われて、下半身に父の指を入れられたこともありました」


「弟も性的虐待の被害にあっていました。私もその現場を見せられました。それに、弟は殴られながら肛門性交をさせられたり、父の性器を咥えさせられたりしました。妹も性的虐待にあいました。父は男女関係なく、性的虐待をしていたんです」


 性的虐待といっても、強制わいせつから強姦(現在では不同意性交等罪)までさまざまだが、リツコは無理やり性交もさせられたという。


「小学5年の終わりごろでした。その日にケーキを食べたのを覚えています。父は異常に上機嫌でした。夜寝るときに、布団に父が入ってきて、下着を全部脱がされ、下半身を触ってきました。ただ、このときは、父がいきなり上に乗って、挿入してきました。触られていることの延長かと思い、何をされているのかわからないでいました。ただただ、激痛でした。生理のお祝いの日だったので、当然、生理中です。『痛い!』って泣いたんですが、父は『黙れ』『騒ぐな』『静かにしろ』と言いました」


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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】


▼いのちの電話  0570-783-556 (午前10時〜午後10時)、 0120-783-556 (午後4時〜同9時、毎月10日は午前8時〜翌日午前8時)


▼こころの健康相談統一ダイヤル  0570-064-556 (対応の曜日・時間は都道府県により異なる)


▼よりそいホットライン  0120-279-338 (24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは 0120-279-226 (24時間対応)

〈 「ほら見て。入った。入った」目の前でレイプされているのに「母は助けてくれなかった」…男女関係なく性的虐待する「悪魔のような父親」のもとに生まれた姉弟のその後 〉へ続く


(渋井 哲也/Webオリジナル(外部転載))

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