「ほんそれ」ホリエモン“厚生年金の積立金で基礎年金底上げ”への私見に共感続々
2025年5月29日(木)6時0分 女性自身
年金制度改革の関連法案をめぐり、自民・公明・立憲民主の3党は5月28日、基礎年金の底上げ策を盛り込んだ”修正案”を国会に共同で提出した。
28日の衆議院厚生労働委員会で立憲民主党の井坂信彦氏は「基礎年金の給付水準の低下は中低所得層ほど影響が大きく、就職氷河期世代を含む現役世代や若者の将来の受給額の低下を招く。基礎年金の底上げを図るため提出した」と趣旨を説明した。
現在制度では、少子高齢化が進むなかで将来の基礎年金給付額が長期にわたって低下する可能性があり、約30年後には給付額が現行水準よりも3割下がる恐れがある。そこで厚生年金の積立金を活用して”全国民が受け取る”基礎年金の給付水準の底上げを目指す。4年後の財政検証で、その底上げを実際に行うかが判断される。
この底上げによって、基礎年金だけに入る自営業者らのみならず、就職難で厚生年金の加入期間が短い傾向がある氷河期世代が老後に受け取る年金の水準低下も防げるという。厚労省は、厚生年金受給者の大半も基礎年金を受け取るため、ほとんどの人は総合的に給付が手厚くなるとしている。
しかし、保険料を負担している会社員らの反応は厳しいようだ。実業家の堀江貴文氏(52)は27日、Xでこのニュースに言及しサラリーマンの支払った年金が自営業者や主婦にも”利用される”ことに反発するXユーザーの投稿を引用して、たったひと言《これは怒った方がいい》と投稿。
コメント欄には《これはブチ切れ。サラリーマンてほんと政府から金ヅルのバカだと思われてる》《ほんと、ふざけるなって感じですよ。勤務先会社と折半して積み立てた金をなんだと思ってる》《ほんそれ》など、堀江氏に共感する人が続出した。
自民党の河野太郎氏(62)もXで25日、厚生年金は《自分と自分が所属するグループの年金のために被保険者が支払ったもの》だといい、《その「保険料」を原資とする積立金を自分と無関係なグループのために使われる筋合いはない》と修正案を批判している。
「厚労省の試算によると、現在40歳の女性が、65歳から平均寿命まで受給する場合のモデルケースで、生涯の給付額は295万円プラス。就職氷河期世代に当たる50歳男性の場合でもプラス170万円になるとしています。
しかし、この措置を講じると厚生年金の給付水準が一時的に下がるため、現在63歳以上の男性や67歳以上の女性については現行より受給額がマイナスとなり、最大のマイナスと試算されている70歳男性では、生涯の受給総額で23万円目減りするとしています。ただし、修正案では、厚生年金の給付水準が一時的に下がることへの影響を緩和する対応もとるとしています。
制度全体では給付が増えるとされているにもかかわらず強い拒否感が生じる背景には、現役世代に広がるすでに搾り取られているという“負担感”や“制度への不信感”が影響しているように思えます」(マネーコンサルタント)
河野氏は「基礎年金の金額は満額でも生活保護の金額に満たない状況に変わりはない」とも指摘している。基礎年金の底上げをしたとしても、基礎年金のみで老後の生活が成り立つわけではない。あわせて年金制度の抜本的な改革を進めていくことも必要かもしれない。