九州の食文化を愛媛流にアレンジ…八幡浜ちゃんぽんは飽きのこない味

2025年5月30日(金)10時11分 読売新聞

「ちゃんぽんイーグル」の八幡山ちゃんぽん。黄金色のスープは飽きのこない味わい

 東西に長い愛媛県の西部は九州に近い。日本一細長いという佐田岬半島から大分県の佐賀関半島まではわずか14キロ。海をまたぐ架橋・トンネル構想があるのもうなずける。それゆえだろう。愛媛には甘い麦みそなど、九州をほうふつさせる食文化がある。

透き通った黄金色のスープに太目の麺…八幡浜市内29店で提供

 古くからの港町・八幡浜市民に愛される「八幡浜ちゃんぽん」もその一つ。中国や長崎などの麺文化が地元風にアレンジされて根付いたとされる。透き通った黄金色のスープが特徴で、一般的に、具は野菜、肉のほか、かまぼこやエビ、イカなどを使う。

 市内で提供するのは29店。老舗の人気店「ちゃんぽん亭イーグル」を訪ねた。看板メニューのちゃんぽん(900円)は、1962年の創業時から変わらぬ味。味付けたまご(100円)などをトッピングできる。

 麺は太めで、豚肉とキャベツ、タマネギ、ニンジンなどをいためた具は、硬すぎず軟らかすぎず、ちょうどよい歯ごたえ。鶏ダシを利かせたしょうゆベースのスープは、豚や野菜の味も溶け込み、あっさりしているのにうま味が強い。飽きのこない味だ。

 「具に魚介がないな」と思っていると、3代目店主の中広俊太さん(41)が教えてくれた。「漁師町で、昔は家での食事も魚が多かった。外食時は魚以外が好まれるだろうと考えたようです」

こちらもオススメ…宇治抹茶と八幡山マーマレードのバスクチーズケーキ

 続いて、別府・臼杵行きのフェリーが出る港に近い道の駅内の「カフェシュシュ」へ。目当ては「宇治抹茶と八幡浜マーマレードのバスクチーズケーキ」(750円)だ。ミカンが特産の八幡浜では国際コンテストが開かれるほどマーマレード作りも盛んだ。

 抹茶のほろ苦さと甘酸っぱいマーマレードは相性抜群。マーマレードは季節によってかんきつの種類を変えるといい、今はイヨカン。次は夏ミカンという。

 ※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。

 国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。

ちゃんぽん亭イーグル

 愛媛県八幡浜市仲之町358の2

 電話 0894・22・2492

 午前11時〜午後3時。水曜定休

 詳細はウェブサイトで。

カフェシュシュ

 愛媛県八幡浜市沖新田1581の23

 電話 0894・35・6612

 火曜定休

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