絶対にやってはいけないことは? クラゲに刺された時の応急処置法

2023年7月29日(土)5時10分 ウェザーニュース

2023/07/29 05:00 ウェザーニュース

夏休みの最大のレジャーといえば、海水浴と答える人が多いでしょう。プールや川でも水泳は楽しめますが、海辺にはほかで味わえない解放感があります。
そこで気をつけたいのがクラゲです。ウェザーニュースで「クラゲに刺されたことがある?」というアンケート調査を実施したところ、「ある」という回答が31%に上り、ほぼ3人に1人の割合でクラゲに刺された経験があることが分かりました。
特に、島根県や鳥取県、福岡県、長崎県といった山陰や九州北部の地域では「ある」という回答が半数近くを占めており、クラゲによる被害が多くなっているようです。

この夏も海でのレジャーを予定している人も多いと思いますが、海でクラゲに刺されたらどうすればいいのか、公益財団法人日本ライフセービング協会に聞きました。

気をつけたいクラゲの種類

クラゲにもいろいろな種類があると思いますが、気をつけなければならないのはどのクラゲなのでしょうか。
「世界の海には多くのクラゲが生息しています。日本近海で人を刺す代表的なクラゲは次の3種類です」(日本ライフセービング協会)
▼アンドンクラゲ
「無色透明で、水中では目立ちません。かなり高速で泳ぎ、目がいいのが特徴です。
刺胞毒の反応はアレルギー症状であるため個人差がありますが、複数回刺されるとアナフィラキシーショックを起こすこともあります」(日本ライフセービング協会)
▼カツオノエボシ
「大きさ約10cmの透明な美しい浮袋を持ちます。この浮袋を操って海流に乗ったり、風を受けて移動したり、しぼませて沈降したりします。
「刺されると激痛が走り、患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続きます。2度目に刺されると、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。死んでいても猛毒があるので注意が必要です」(日本ライフセービング協会)
▼アカクラゲ
「赤くも見える褐色の縞模様が美しいクラゲです。傘の大きさは9〜15cm、50本前後の触手は長さ2mほどあります。触手の刺胞毒は強く、刺されるとかなり強い痛みを感じます。
このクラゲが乾燥すると毒をもった刺糸が舞い上がり、人の鼻に入ってくしゃみを引き起こすため、「ハクションクラゲ」という別名があります」(日本ライフセービング協会)

真水はNG? クラゲに刺された時の応急処置法

海でクラゲに刺されたら、どういう応急処置を行えばいいのでしょうか。
▼触手が残っていたら抜く
「刺された後、体にクラゲの触手が残っている場合があります。そのままにしておくとさらに刺されるので、抜かなければなりません。
そのとき素手で抜くのは厳禁です。ピンセットか手袋、なければハンカチなどを当てて抜いてください。触手を直接触らないことと、刺激しないことが大切です。
もし、触手が絡みついてとりきれない場合は、海水で優しく洗い流します。このとき、真水を使ってはいけません。真水だと刺胞が活性化しさらにヒドくなる事もありますので、必ず海水で優しく洗い流してください。
海水で洗い流す際も、刺胞を刺激しないように優しく行うことが重要です。
また、触手が視認できない場合は、海水で洗い流すと不用意に刺激するので、海水で洗うこと無く、次の『温めるか冷やす』のステップへ進んでください」(日本ライフセービング協会)
▼温めるか冷やす
「その後患部を温めるか冷やすかは、専門家でも意見が分かれています。
温めるのは、クラゲの毒の主成分がタンパク質であり、40℃以上の熱で不活性化するからです。日本ライフセービング協会では、お風呂のお湯程度(42℃)のお湯で20〜30分間温めることを推奨しています。
本人が冷やしてくれることを希望したら、氷水や冷えたペットボトルで冷やしてあげるといいでしょう。血管が収縮して痛みが和らぎます」(日本ライフセービング協会)

お酢を使う方法もある?

お酢を使うと効果的だという話を聞いたことがありますが?
「そのような民間療法があるのは事実です。ただし、お酢が効くのはクラゲの種類によります。お酢で悪化するクラゲもいますので、刺されたクラゲの種類がわからない場合は、避けたほうが賢明です。
刺された跡を見ただけでは、何のクラゲに刺されたかはわかりません」(日本ライフセービング協会)

一番重要なことは何か!?

海でクラゲに刺された時、一番大切なことは何でしょうか?
「すぐに海から上がることです。刺されてから数分後にアナフィラキシーショックを起こすことがあり、悪くすると意識を失って溺れる原因になります。
痛みの度合いに関係なく、刺されたらすぐ浜に上がって、ライフセーバーなどの詰め所へ向かってください」(日本ライフセービング協会)
海水浴をしていて万一クラゲに刺されても、悪化しないよう、今回の注意を心得て、海水浴を安全に楽しんでください。

参考資料など

取材協力/日本ライフセービング協会

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