福井県「くにみクラゲ公民館」国内で唯一、公民館を水族館に変換して運営する面白い企画の水族館
2025年4月5日(土)12時0分 婦人公論.jp
写真を拡大 カラージェリーフィッシュと、水槽のアクリル面に反射するクラゲの形をした工作物と照明のコラボレーション(C)2015〜2025 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第32回は、2024年の初夏に訪れた福井県福井市鮎川町にある「くにみクラゲ公民館」のエピソードです。
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第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら
公民館を水族館に変換して運営
「シュール・ブルー」列島水族館写真巡りは、写真家として、そして旅人としての体験を振り返って語っている。
水族館大国である日本を旅していると大小様々、そして多彩なテーマを持つ水族館の多様性を味わうことができる。
中でも面白い企画だと感じたのは、2024年の初夏に訪れた福井県福井市鮎川町にある「くにみクラゲ公民館」である。
国内で公民館を水族館に変換して運営しているのはここだけだと思う。
写真を拡大 ミズクラゲの水槽(C)2015〜2025 George Nobechi
展示スペース名が、「料理教室」や「図書館」
2022年にオープンした当館ではクラゲをはじめ、越前海岸で見ることができる魚やカニを中心に展示しているが、クマノミやミノカサゴなどの熱帯魚もいる。
しかし何よりも面白いのは展示スペースが、「料理教室」や「図書館」などと、そのまま使われていることではないだろうか。
さらに、海のゴミの問題にスポットライトを当てる漂流物を使って物作りをする工作体験コーナーや、イカスミを使った書道ワークショップなども時折開催している。
近くには越前松島水族館と、越前がにミュージアムもあるので、1日でも贅沢に「水族館三昧」を楽しめる。
写真を拡大 クマノミの水槽とアカエイの水槽を、魚が寄ってくるタイミングで撮影(C)2015〜2025 George Nobechi
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