台風7号は強い勢力で東海や関東に接近か お盆休みに影響大きく早めの警戒を
2023年8月9日(水)17時30分 ウェザーニュース
2023/08/09 17:32 ウェザーニュース
台風7号(ラン)は9日(水)15時現在、小笠原近海を西にゆっくりと進んでいます。明日10日(木)には暴風域を伴って小笠原諸島に近づく見込みです。
その後も発達しながら北上し、来週には強い勢力で東海や関東など東日本に接近する予想となっています。お盆休みの期間中に影響が大きくなる可能性があり、早めの警戒が必要です。
▼台風7号 8月9日(水)15時
中心位置 小笠原近海
移動 西 ゆっくり
中心気圧 985 hPa
最大風速 25 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 35 m/s
小笠原諸島は明日から荒天のおそれ
10日(木)夕方の雨と風の予想
台風は明日になると勢力を強めて小笠原諸島に近づきます。夕方には台風を取り巻く活発な雨雲がかかってくる見込みです。風も次第に強まって、海上はシケてきます。
台風が最も近づく明後日11日(金)にかけて暴風雨が続くおそれがありますので、台風への備えは明日の出来るだけ早い時間までに済ませるようにしてください。
海面水温が高く接近時も勢力維持か
海面水温と台風7号の進路
台風7号の進路にあたる海域は海面水温が29℃前後と高くなっていて、台風に供給される水蒸気が十分にあるとみられます。また、風の鉛直シア(高さによる風の向きや強さの違い)が小さく、台風の発達しやすい状況です。
明日10日(木)の午後には強い勢力となり、本州に近づく14日(月)午後の中心気圧は950hPa、中心付近の最大風速は40m/sに達する予想となっています。
勢力が強いまま接近するため台風が近づく前から風雨が強まり、広い範囲で荒天となるおそれがありますので、一層の警戒が必要です。
太平洋側は広範囲で高波続く
10日(木)の波の予想
台風6号の影響ですでに海上の波が高くなっていることに加え、台風7号が発達しながら北上することで、西日本、東日本の太平洋側は当面の間、波の高い状態が続く見通しです。
明日10日(木)の朝の時点では九州から四国の沿岸で4m/s前後、近畿から関東の沿岸では3m前後の高波が予想されます。明日は関東や東海など晴れる所が多いものの、海のレジャーは出来るだけ控え、海水浴場など遊泳禁止の措置がとられている場合は、指示に従うようにしてください。
現時点では東海、関東に近づく可能性が高い
参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、北上して東日本に近づくものが多数です。現時点では東海や関東に近づく可能性が高いとみられます。ただ、少数ながら西日本方面や本州の東の海上に進むものもあり、近づくタイミングに関しては、まだ予測の不確実性が高い状況です。
進路や接近のタイミングによって各地への影響が大きく変わってきます。お盆休みの移動のピークと台風の荒天が重なる可能性もありますので、こまめに最新の情報をご確認ください。
台風の暴風域に入る確率
120時間以内に台風の暴風域に入る確率が25%以上である府県予報区
千葉県 32 %
東京都 86 %
東京地方 26 %
伊豆諸島北部 44 %
伊豆諸島南部 61 %
小笠原諸島 86 %
神奈川県 31 %
山梨県 32 %
長野県 34 %
岐阜県 32 %
静岡県 42 %
愛知県 37 %
三重県 37 %
滋賀県 26 %
奈良県 29 %
和歌山県 29 %
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風7号の名前「ラン(Lan)」はアメリカが提案した名称で、「嵐」を意味するマーシャル語(北西太平洋のマーシャル諸島のことば)からとられています。