週刊地震情報 2023.12.3 フィリピンでM7.6の大きな地震 日本でも最大40cmの津波

2023年12月3日(日)10時30分 ウェザーニュース

2023/12/03 10:22 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週とほぼ同じ水準です。
関東から東北の太平洋側は相変わらず地震が多く、九州から沖縄でも地震が目立ちました。震度3以上の地震は発生していません。(11月27日〜12月3日10時の集計)

国内:茨城県南部でM3.9 最大震度は2

茨城県南部の地震

12月1日(金)11時14分頃、茨城県南部を震源とするマグニチュード3.9、深さ48kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県笠間市、古河市、筑西市、栃木県宇都宮市、栃木市、佐野市、群馬県桐生市、館林市など関東北部の広い範囲で震度2を観測しています。
今回の震源周辺は”地震の巣”と言えるような、関東でも非常に地震の発生頻度が高い領域です。ただ、今年は比較的地震が少なく、震度2以上は今回が11回目、震度3以上は3回だけとなっています。震度3以上の発生回数は、2018年以来の少ないペースです。
ただ、震度4以上の地震は毎年のように発生している領域ですので、今年が少ないペースだからとは言え、油断はできません。

世界:フィリピンでM7.6 津波発生し日本にも到達

フィリピン周辺の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は6回発生しています。最も規模が大きかったのは、フィリピン近海で発生したマグニチュード7.6の地震です。
日本時間の2日(土)深夜、フィリピン・ミンダナオ島の沖合でマグニチュード7.6、深さ約33kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ、逆断層型と解析されています。
陸地から比較的近い所で発生したため、震源に近い地域では強い揺れに見舞われました。改正メルカリ震度階級でVIII程度、厳密には比較ができませんが、日本の震度階級では震度5強程度の揺れになったとみられます。
また、この地震の後は余震とみられる地震が相次ぎ、マグニチュード6を超えるものだけでも4回発生しました。

世界:伊豆諸島・八丈島で最大40cmの津波

地震の規模が大きく、震源が比較的浅かったため津波が発生しています。フィリピンではミンダナオ島のダバオで8cmの潮位変動を観測しました。ダバオは入り組んだ湾の奥に位置しているため、震源に近い沿岸部ではそれよりも大きな津波が到達した可能性があります。
津波は3日(日)の未明に日本まで到達し、伊豆諸島・八丈島で最大40cm、関東から九州、奄美にかけての太平洋側で10〜20cmを観測しました。気象庁は地震の発生後まもなく津波注意報を発表し、3日(日)9時に全ての注意報は解除されました。
フィリピン周辺はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込むことで、規模の大きな地震が度々発生しています。先月17日にはミンダナオ島の南でマグニチュード6.7の地震があったばかりです。今回の震源近くに限定しても、1991年にマグニチュード7.0、1989年にマグニチュード7.6の地震がありました。

バングラデシュでM5.5の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

また、日本時間の2日(土)の昼頃、バングラデシュの南部を震源とするマグニチュード5.5、深さ約39kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
震源が陸域だったため震央付近ではやや強い揺れとなり、改正メルカリ震度階級のV、厳密には比較ができませんが、日本の震度階級では4に相当するくらいの揺れがあったとみられます。震源は首都ダッカからそれほど離れていなかったものの、揺れが強かった領域は狭く、大きな被害は伝えられていません。
バングラデシュはインドプレートとユーラシアプレートの境界付近に位置しています。マグニチュード6を超えるような地震も時々起きていて、最近では1997年にマグニチュード6.0の地震が発生しました。非常に古い記録では1918年にマグニチュード7.1が発生した記録もあります。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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