『セクシー田中さん』問題、小学館の編集者一同の「泣ける声明」でも鎮火失敗のワケ

2024年2月16日(金)5時55分 ダイヤモンドオンライン

『セクシー田中さん』問題、小学館の編集者一同の「泣ける声明」でも鎮火失敗のワケ

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小学館と日本テレビ Photo:PIXTA

編集者一同の「泣ける声明」でも事態収まらず

 1月から『セクシー田中さん』の脚本トラブルがなかなか収束しない。それどころか、さらなる波紋を呼んでいる。

『週刊文春』は、亡くなった『セクシー田中さん』原作者の芦原妃名子さん(享年50)が生前に「もう映像化はいいかな。疲れちゃった」などと親友に打ち明けていたと報じている。

 また、『ちびまる子ちゃん』で知られる漫画家・さくらももこさん(享年53)の元夫で、現在は音楽評論家の宮永正隆氏は、自身が運営する「金沢大学オープンアカデミー ビートルズ大学」のXで過去、NHKが制作したさくらさんの自伝的ドラマについてのトラブルを告白した。宮永氏によれば、このドラマはさくらさん自身が脚本を書き下ろし、キャスティング案も出したというが、「一切無視した酷い出来ドラマが『完成版』としてビデオで突然届いたのが放送数日前」で、そこにはこんな言葉が添えられていたという。

「先生には叱られるかもしれませんが」

 つまり、ドラマ制作サイドは、故意犯的にさくらさんの要望を握りつぶしたというわけだ。作者の自伝的マンガですらこの有様なのだから、漫画作品など作者の要望が入り込む余地などないことは容易に想像できよう。

 実際、宮永氏は「こんな仕打ちを受けた当事者・原作者は他にも数知れずだが、制作サイドは“そういうもん”となし崩しで押し切ってきた」と現場の実情を明かしている。一方で、こういう「告発」がいまだに相次いでいる状況を意外に感じる人も多いだろう。

 2月8日、小学館の第一コミック局(少女・女性漫画)の編集者一同による声明が「泣ける」「血の通ったコメント」「クビ覚悟の発信に心を打たれた」など、「称賛」の声が多く寄せられた。これで事態が収束に向かうのではないかという見立てもあった。

 ただ、残念ながら冒頭で紹介したように状況は改善しておらず、日本テレビや小学館に「第三者調査」を求める声も強くなっている。例えば、『金色のガッシュ!!』の作者で漫画家の雷句誠氏は「情に訴えるコメントで肝心な部分を誤魔化しているようにも見えます」「漫画家さん達が抱いた恐怖は消えない」と苦言を呈している。

 では、一部の人々から支持された「泣ける声明」だが、なぜこの問題を収束させられなかったのか。


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