24年度の貿易赤字5兆2217億円…4月以降、米関税影響で「輸出が大きく落ち込む」との見方も
2025年4月18日(金)2時0分 読売新聞
財務省が17日発表した2024年度の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5兆2217億円の赤字だった。赤字幅は前年度(6兆1430億円)から15%縮小した。輸出額は、比較可能な1979年度以降で最高となった。
輸出額は、前年度比5・9%増の108兆9346億円。為替相場が前年度比で6%超の円安となったことなどが影響した。
米国向け輸出では、ハイブリッド車(HV)などの自動車が1・6%増えた。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「追加関税発動前の1〜2月に、駆け込み輸出が行われた可能性がある」との見方を示した。
輸入額は、4・7%増の114兆1563億円と2年ぶりの増加に転じた。中国製パソコンなど電算機類が36・1%増、スマートフォンなどの通信機が17・1%増、医薬品が12・7%増となった。
財務省が同日発表した3月単月の貿易収支は5441億円の黒字で、黒字幅は前年同月比で55・5%増えた。斎藤氏は「米国の追加関税の影響で、4月以降は輸出が大きく落ち込むだろう」と指摘している。