古民家改修し、周囲に低層木造商業施設 東急などが横浜の新綱島駅前で
2025年4月28日(月)16時6分 財経新聞
木造商業施設の完成イメージ(東急など発表資料より)
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事業名称は「(仮称)池谷(いけのや)家古民家周辺不動産活用プロジェクト」(港北区綱島東)。新綱島駅前約7,800平方メートルの敷地で中央部にある古民家を改修するとともに、その周囲に2階建て延べ約1,400平方メートル、同延べ約1,200平方メートルの木造商業施設を整備する計画。飲食店や物販店の入居を予定しており、古民家も店舗として活用する。
横浜市によると、古民家は江戸時代末期の1857年に建てられた木造平屋建て約350平方メートルで、当時、南綱島村の名主として鶴見川の改修や桃の栽培、普及に尽力した池谷家の農村住宅。地域の寄り合い場所としての機能を持ち、周辺の子どもたちの学びに場にもなっていた。
2月から改修工事に入っており、建物の外観や伝統的な真壁造りの意匠などを最大限残し、耐震補強や設備更新して店舗に再生する。木造商業施設は5月に着工する予定で、連続する木の柱や深い軒下空間など伝統的な建築方法を採用する。外観は木の温かみと風合いを強調したものに仕上げる方針。
2023年に開業した新綱島駅周辺では、横浜市が土地区画整理事業を進め、新綱島駅直結の複合施設「新綱島スクエア」が誕生しているほか、複数の商業開発計画が動き始めている。今回の商業開発はこれら周辺開発と歩調を合わせ、貴重な古民家を保存・活用しながら、新綱島駅前ににぎわいを創出することを目指している。