中堅ゼネコン:ピーエス・コンストラクションの中計に、買い余地を覚える
2025年4月29日(火)9時6分 財経新聞
OCAJIプロジェクト賞を受賞したミャンマーのジャイン・コーカレー橋
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前2024年3月期の「18.3%増収、37.0%営業増益、33.4%最終増益、11円増配44円配」に続き、今3月期も堅調な歩みを示している。2月27日に通期計画・配当を上方修正。「4%の増収(1348億円)、47%の営業増益(115億円)、46%の最終増益(74億円)、26円増配70円配」予想。第3四半期末でそれぞれ「1029億1800万円、109億2800万円、72億8400万円」の実績を積んでいる。
また至28年3月期の中計では、「売上高1500億円、純益70億円、ROE10.0%以上、配当性向60%以上、3期で計160億円の投資計画」を掲げている。
建設対象は、「総合病院or介護施設など医療・福祉施設」「物流施設」「庁舎・オフィス」「国立競技場や花園ラクビー場などスポーツ・レジャー施設」と幅広い。
橋梁に活かされているPC工法とは、コンクリートの最大の弱点⇔圧力には強いが引張には弱い点を克服する技術。要するに、ひび割れが発生しやすい橋梁の問題点を克服する。
ホームページを覗くと縷々実績建設物が示されているが、とりわけ目を引くのが「受賞作品集」。プレストレスコンクリート工学会が認定した「PC工法案件」や、土木学会の「田中賞」受賞建設物が誇らし気に紹介されている。
確かに世の中への貢献は、認められる。例えば宮城県岩沼市に2014年竣工のライフケア赤井江などは、印象深い。鉄筋コンクリート造り地上4階建て(延床面積5790㎡)は特別養護老人ホーム。
東日本大震災で津波被害を受けた、既存施設の復興事業。1階は特養老人ホーム&デイサービスの管理部門。2・3階は地域密着型特養老人ホーム。4階は被災時の教訓を活かした多目的室。災害時に施設入居の避難入居に加え、近隣の住民の一時避難スペース。かつ防震対策が執られている。
本稿作成中(4月中旬初め)の株価は1500円台出入り。予想税引き後配当利回り4.7%余。予想PER9.47倍と過熱感はない。1月6日の年初来安値:1125円から2月19日の高値:1598円まで買われた後、トランプ関税の影響を受けた乱高下の中での揉み合いを経て戻り基調。信用取引の取組は買い残:79倍強、人気は依然高い。
2016年初値で買い持ち続けていると、修正済み株価パフォーマンスは3倍超。PBR基準では1612円が妥当値。さて・・・