お金の貯まらない家の冷蔵庫からごろごろ出てくる…片づけのプロが証言「貯まる人は旅先で買わないお土産品」
2025年5月2日(金)7時15分 プレジデント社
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sergeyryzhov
■お金の貯まらない人が旅先で買うもの
旅に出ると、つい雰囲気に負けて、財布のひもが緩んでしまう人は少なくありません。
道の駅で買った調味料や乾物、クリームや美容オイルなどのスキンケア品、地名の入ったキーホルダーやクリアファイルなど……、その場の勢いで買ったけれど、家に持ち帰ったら使わなかったという話を、仕事柄よく聞きます。
以前、当社が運営する片づけのセミナーの受講生たちに冷蔵庫を片づけてもらったところ、道の駅で買ったであろうドレッシングやスパイス、ジャム、はちみつ、地域特産品のフルーツソースなどが大量に出てきました。そのほとんどの賞味期限は過ぎていて……なんてもったいない! 数カ月どころか数年単位で賞味期限が過ぎているものが多くありました。特に多いのは、「豆板醬」や「オイスターソース」「トリュフオイル」といった辛さやクセのあるものです。口は開いていて、1〜2回ほどは使ったものの、普段食卓に出しているメニューに使用するような調味料じゃなかったため、使わなくなり冷蔵庫の奥に……。そのうち存在ごと忘れられてしまったようでした。
写真=iStock.com/sergeyryzhov
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パントリーや引き出しに入れられた、海藻や魚介類、野菜の乾物にも出合うことが多いですね。こちらも賞味期限は過ぎています。「朝、スープに入れよう」と野菜の乾物を購入しても、そもそも朝ごはんを食べない人は習慣化できずに、やはり存在を忘れて月日が経ってしまうんですよね。「美味しいものを購入したら朝ごはんを食べるようになる“かも”」といった“かも”購入はやめた方がいいでしょう。
▼ 本当に必要かチェック!旅先で衝動買いしがちなもの
・調味料
・乾物
・スキンケアアイテム
・地名の入ったグッズ
写真=西崎さん提供
ちなみに、先日、社員旅行に行ったときのこと。うちのスタッフがお土産屋さんで“フジヤマ”と書いてあるキャップを買ったときには「本当にもう!」と思いました(笑)。帰ってきてから、そのスタッフに「あのキャップ、どうした?」と聞くと、「かぶっていない」と。これぞ、旅先での衝動買いの典型例ですね。
■家に眠る「お土産品」をチェック
私も昔は、旅先で無駄遣いをしていました。例えば、海外で買った原色の洋服は、現地では着られるけれど日本ではとても着られません。
国内旅では、調味料や乾物を買ってしまうことが多かったです。買ったけれど、家に帰ってきたら全然食べなかったり、量が多くて使いきれなかったり……。本当に自分が食べるか食べないかを考えてから買うべきでした。
旅先で衝動買いをしているうちは、お金の貯まる人になかなかなれません。実際、お金の貯まらない家には“使っていない”お土産品が家中からごろごろ出てきます。
旅先での無駄遣いを防ぐには、以下の方法が効果的です。
■自分の「無駄遣い」のクセを知る
それは、旅に出る前に家の片づけをすること。冷蔵庫やパントリー、洗面所、クローゼットにある不要なものを片づけて、自分は“何を余らせて(無駄にして)捨てた”のか、しっかりと確認するのです。旅に出る前に「こういうものは自分は使わない」ということを改めて知れば、旅先での無駄遣いが減ります。
特に、冷蔵庫やパントリーは、これまでの経験上、道の駅で購入したものが溢れている可能性が高いので、必ずチェックを!
・冷蔵庫やパントリー
→旅前に見るべき場所、ナンバーワン! 地方で人気のジャムをいくつも買ったものの、主食が米でパンを食べないため、3〜4種類のジャムがそのまま無駄になっていたような例も。「使い切った」ものではなく「使えずに捨てたり腐らせたりしたもの」をチェックするのが、“自分がつい買いがちだけど実際には使わないもの”を知るコツです。これが把握できると、同じ失敗を繰り返さなくなります。
・洗面所
→旅先で買ったスキンケアアイテムが口開けされないまま放置されていたり、途中まで使用したものの、いつしか放置され、ほかの自分にとって定番のスキンケアアイテムを使用しているようなら、自分に必要なのはいつも使用しているスキンケアアイテム! 旅先で購入しても使わなくなることが分かります。
・クローゼット
→旅先で購入したワンピースなど、旅から戻り、日常で一度でも着ましたか? タンスの肥やしになっているようなら、また同じように衝動買いしないように注意。
もうひとつ、職場や友人などの人に渡す予定のお土産も、無駄にしがちなもののひとつです。あの人に渡そう、この人にもあげたいと、お菓子のお土産を買うことがあると思います。でも帰っても、なかなか渡すタイミングがない。そのうち賞味期限が切れて、あげられなくなったというのは、よくあることです。
お土産を買うときは、リストをつくること。その際に、渡す予定やタイミングがあるのか、それも合わせて確認して購入するしないの判断をしましょう。
■衝動買いしたくなったら…自分に3つの質問を
とはいえ、やっぱりせっかく行った旅先ですから新しいものに出合ったら、ちょっと試してみたくなります。そんなときは、レジに持っていく前に、次の3つの質問を自分に投げかけてみましょう。
「私、これ帰ってから使う?」
→帰ってからは使わないであろうものは、買わない。
「これを使うために、何を手放さないといけない?」
→家に物を増やしたら、その分、何かを減らさないと、どんどん家は散らかっていくので「代わりに何を手放せるか」「どちらが大切か」考えてみます。
「本当に、ここでしか買えない?」
→令和の今、全国各地の名産は、ほとんどオンラインで買うことができます。東京なら、アンテナショップに行けば、たいていの名産・名物は手に入りますよね。わざわざ現地で買う必要はないかもしれません。
「私、これ帰ってから使う?」
「これを使うために、何を手放さないといけない?」
「本当に、ここでしか買えない?」
この3つの問いを購入する前に自分へするようにクセづけた結果、「旅先で物を買わなくなった」という片づけセミナーの受講生さんは多いです。このように「自制」の仕方を覚えれば、日々の買い出しでも無駄買いが減り、お金が貯まる人へと自然と近づいていきます。
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_
「今までは、無意識に目につくままに買っていました」
そのように話す受講生さんに、過去たくさん出会ってきました。
■旅前にわかる…お金が貯まらない人の特徴
お金が貯まらない人には、特徴があります。それは、旅の準備が甘いこと。
まず旅の準備が悪いと、忘れ物が増えて、現地で調達することになります。例えば、寒くてアウターを買う、雨が降り出して傘を買う、携帯電話のバッテリーをいくつも買う、スキンケアや化粧品を忘れて買う……とにかく至るところで、無駄遣いが発生します。
お金が貯まらない人たちは、そもそもの計画に無理が多いのも特徴のひとつ。「安いからと朝いちばんの航空チケットを予約したのはいいけれど、寝坊して乗り遅れてチケットを買い直すはめになった」「交通費を節約して夜行バスにしたのはいいけれど、疲れ果てて現地であまり活動できなかった」「ホテルから出たくなくなり、延長料金をとられた」そんな話も聞いたことがあります。
写真=iStock.com/miniseries
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事前準備は、なるべく早くする。荷物の準備は、遅くとも前日までに完了させておく。そのための時間を、きちんと確保しましょう。それが無駄遣いを減らし、お金が貯まる人に変わる第一歩となります。
私の荷物の準備は、とても簡単です。一泊であれば、洋服はストールやマフラーなど温度調節できるものを一枚持っていく。寒さや雨が心配なときは、コンパクトに丸められるダウンベストや軽量の折りたたみ傘を入れておく。靴は、どこに行くか想定できれば、一足で十分です。化粧ポーチも、ふだん使っているものを、そのまま持っていけるようにしています。
アイテムでいえば、風呂敷は便利です。洋服を包むのにも使えるし、温泉に行くときの着替えも包んで持って行けます。結び方次第で、エコバックにもなるし、リュックにもなる。寒いときは、なんとスカーフ代わりにもなります。一枚入れておくと、何かと重宝しますよ。
■お金が貯まらない人の旅行後の行動
さらに、お金の貯まらない人は、旅の後始末も遅いし、ゆるい。帰ってきてからも、なかなかスーツケースを片づけません。
日常が始まっても、洋服やお土産をスーツケースに入れっぱなしなので、探し物が見つからず、「なくしたのかな」と新しいものを買うことになる人も。お土産もそのまま渡しそびれて、むだにすることもざらなのです。
私が子供の頃は、よく先生や親から「家に着くまでが遠足」と言われていましたが、今、私がよくお伝えするのは「スーツケースを片づけるまでが旅行」ということ。私は旅行から帰ってきたら、その日のうちに、スーツケースは必ず空っぽにするようにしています。
洗濯ものは洗って干し、買ってきたものは、それぞれ棚にしまい、お土産は、宛名の付箋を貼って、すぐに渡せるように。旅行から帰宅してすぐに、このように整える習慣がついていれば、渡し忘れも無くしものも発生しないため、無駄なお金が発生しません。
■片づけを時短・手軽にする! 洗濯ネットの活用
後始末を簡単にする方法を、ひとつお教えしましょう。それは「洗濯ネット」の活用です。
洗濯ネットは2枚用意します。一枚には、きれいな下着をしまい、一枚は空のまま、トランクに入れます。旅の途中、空のネットに、着用後の下着を貯めていきましょう。最終日には、一方のネットが空になっていますから、そこにストッキングなどの絡みつきやすいものをいれます。家に帰ったら、そのままポイッと2つの洗濯ネットを洗濯機に入れればOKです。
最低限、肌着をこのように管理しておけば、旅から戻っていつまでも洗わない下着が放置されたり、存在が忘れ去られたりすることはありません。良かったら試してみてくださいね。
■お金が貯まる人が「GW」に旅行しない理由
旅先で無駄遣いしたくないという人は
① 家を片づけて、自分が手放したもの(無駄にしたもの)を確認
② お土産をレジに持っていく前に「自分に3つの問い」を
③ お土産は「誰にいつ渡すか(渡せるか)」を事前にリスト化
④ 旅の準備は余裕をもって、前日には終わらせておく
⑤ スーツケースは旅から帰宅後、できるだけその日中に片づける
この5点を意識して見てください。小さなことですが、無駄遣いがなくなり、お金が貯まるようになるでしょう。
写真=iStock.com/Serjio74
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Serjio74
最後にお伝えしたいのは、旅行まわりの究極の節約は、ゴールデンウィークなどピーク時を避けることです。
タイミングをずらせば、交通費も安く済みますし、宿でも同じサービスをより安く受けることができます。仕事の都合や家族のスケジュールなど、どうしても連休以外でいけない場合を除き、もし日付が選べるなら、なるべく安い時期を狙うことも、旅行での無駄遣いを防ぐ秘訣の一つかなと思います。
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西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。
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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智 構成=池田純子)