マスクCEO後任探し、テスラ取締役会が複数の人材紹介会社と連絡か…イメージ毀損・業績低迷背景に

2025年5月1日(木)21時57分 読売新聞

米ホワイトハウスの大統領執務室でトランプ大統領(手前)の話を聞くイーロン・マスク氏=ロイター

 【ニューヨーク=小林泰裕】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4月30日、米電気自動車(EV)大手テスラの取締役会が、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)(53)の後任選びに着手したと報じた。トランプ政権で高官を務めるマスク氏の言動がテスラのブランドイメージを傷つけ、業績が低迷していることが背景とみられる。

 報道によれば、取締役会は約1か月前にマスク氏の後任選定に着手。複数の人材紹介会社と連絡を取ったという。また、取締役会はマスク氏に対し、テスラの経営に専念するよう求めたとしている。

 マスク氏は2008年からテスラのCEOを務め、時価総額で世界最大の自動車会社に成長させた。さらにX(旧ツイッター)や宇宙開発企業スペースX、AI(人工知能)開発企業xAIなど多くの有力企業を率い、世界一の大富豪でもある。

 ただ、テスラの業績は急ブレーキがかかっている。4月22日に発表した25年1〜3月期決算は、最終利益が71%減の4億900万ドルに沈んだ。EV販売台数は13%減の33万6681台と過去最大の落ち込みを記録し、同社の株価は今年に入って約30%下落した。

 不振の主な要因は、トランプ政権で「政府効率化省(DOGE)」のトップを務めるマスク氏が、米政府機関の人員削減を強引に進め、欧州で政治家を公然と批判するといった行動で反発を招いたことだ。米欧を中心にテスラへの不買運動や抗議活動が広がった。

 一方、テスラ取締役会のロビン・デンホルム会長は1日、後任探しに関する報道に「全くの誤りだ。我々はマスク氏の能力に信頼を置いている」との声明を出した。マスク氏自身も「WSJは故意に虚偽の報道を行った」とXに投稿した。

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