政府、「自動車関税」などの日米交渉で譲歩せず…石破首相「鉄・アルミニウム含めすべての関税を協議」
2025年5月3日(土)21時43分 読売新聞
赤沢経済再生相との面会を終え、取材に応じる石破首相(3日、首相公邸で)=富永健太郎撮影
政府は3日、米国のトランプ政権による関税措置撤廃に向けた日米交渉について、自動車への追加関税を見直すよう引き続き要求する方針を決めた。米側が自動車などを交渉の対象外としているためで、政府は米国が新たに発動した自動車部品への追加関税を含め、一連の関税措置すべての見直しに向けて譲歩はしない構えだ。
石破首相が同日、米国での2回目の閣僚協議を終えて帰国した赤沢経済再生相と首相公邸で面会し、協議結果を踏まえて今後の対応について指示した。
面会後、記者団には「立場の隔たりがあり、一致点を見いだせる状況にない」と述べ、「我々は自動車、鉄、アルミニウムを含めすべての関税について協議を行っている」と譲歩しない姿勢を示した。自動車部品への追加関税発動についても「極めて残念で、引き続き見直しを求める」と語った。
赤沢氏も面会後、記者団に「一連の関税措置をすべて見直してもらいたいと申し入れ続けており、そこの部分が(合意の)パッケージに入らないと合意できない」との考えを示した。
閣僚協議で、米国側は「相互関税」の上乗せ分(日本は14%)だけを協議対象とし、日本側が重視する自動車や鉄鋼・アルミへの追加関税は交渉から除外する姿勢を示した。自動車関税は相互関税と異なり、各国一律で25%を課しており、日本だけ特別扱いできないなどの理由があるとみられる。
ただ、自動車は日本の基幹産業で、部品メーカーなど裾野も広く、関税が撤廃されなければ日本経済全体が失速する懸念がある。首相は3日、赤沢氏らに対し、今後の協議の対処方針を「迅速、
日米両国は今月中旬以降、閣僚協議を集中的に行うことで合意している。赤沢氏は3日の帰国直後、羽田空港で記者団に、その準備として事務レベルの協議が米国で現地時間2日から始まったことを明らかにし、「個別論点や技術的な内容に関する議論も大変重要だ」と語った。