巨大IT規制、「迂回」封じる指針案…違反に「なる」「ならない」具体的な行為110例示す

2025年5月16日(金)0時12分 読売新聞

公正取引委員会

 公正取引委員会は15日、巨大IT企業の米アップルや米グーグルを規制する新法「スマートフォンソフトウェア競争促進法」の指針案を発表した。法律に違反する行為を指針で細かく示し、巨大ITによる規制の迂回うかい行為を封じる内容だ。スマホ利用者の安全や安心に配慮してセキュリティー確保を理由とする場合など、違反にならない事例も示した。

 指針案に盛り込まれた違反になる行為、違反にならない行為の具体例は約110に上った。公取委は今後、意見募集を経て7月にも指針を正式に決定し、12月18日に新法を全面施行する方針だ。アップルやグーグルは規制の順守状況を記載した報告書を12月18日に提出することが求められる。

 新法はアプリストアに他社が参入できるようにすることをアップルに求めているほか、アプリを配信する企業を、巨大ITが審査などで不当に差別的に扱うことを禁止している。指針案では、新規参入のストアや、そこにアプリを配信する企業に高い手数料を支払うよう求める行為は、事実上、新規参入を妨害する行為として違反になると明記した。

 同様の規制で先行する欧州連合(EU)では、新規参入したストアを使うアプリ配信企業にアップルが新たな手数料の支払いを課し、他社のストアが使われにくくなっているとの指摘があり、抜け道をふさぐ狙いだ。

 一方、セキュリティーやポルノなどの観点から、巨大ITがアプリの提供可否を判断することは法律違反にならないとの見解を示した。新たなストアの参入によって、スマホの安全性などが低下するとの懸念に配慮した形だ。

 指針案公表を受け、アップルは「iPhone(アイフォーン)に期待するユーザー体験にどのような影響を与えるか、懸念を有している」、グーグルは「(指針案などを)慎重に精査している」とコメントした。

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