セブン&アイHD、セブン銀行株の一部を伊藤忠に売却検討…伊藤忠は金融事業強化目指す
2025年5月20日(火)18時42分 読売新聞
セブン&アイHDの本社(東京都千代田区で)
セブン&アイ・ホールディングスが金融事業を行うセブン銀行の一部株式について、伊藤忠商事への売却を検討していることが20日、わかった。近く、検討状況を発表する方向だ。伊藤忠は傘下にファミリーマートを持つが、コンビニの垣根を越えて金融事業の強化を目指す。
セブン銀のATM(現金自動預け払い機)はセブン—イレブン店舗内などに全国約2万8000台が設置されている。セブン&アイは2024年9月末時点で、傘下のセブン—イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂などを通じてセブン銀株の約46%を保有している。
カナダのコンビニ大手から買収提案を受けているセブン&アイは、自力での企業価値向上を目指すための施策を3月に発表。構造改革の一環として、25年度中にセブン銀の株式の保有比率を40%未満に引き下げ、連結対象から外す方針を示していた。
セブン銀は01年に「アイワイバンク銀行」として設立。流通系銀行の先駆者とされ、ATMの設置でコンビニの利便性を高めた。
ファミリーマートは、全国の銀行が共同出資した「イーネット」のATMを設置しているが、セブン銀のATMに切り替えることも検討しており、利便性向上や費用削減を目指す。