日本側は全ての関税撤廃を要求、USスチールへの投資もアピール…日米関税交渉3回目
2025年5月24日(土)0時1分 読売新聞
訪米を前に、記者団の取材に応じる赤沢経済再生相(23日、羽田空港で)=帖地洸平撮影
トランプ米政権による関税措置を巡り、日米両政府は23日(日本時間24日)、米ワシントンで3回目の交渉を行う。日本側は全ての関税撤廃を求めており、対米投資額の積み増しとして、日本製鉄が米鉄鋼大手USスチールを買収した場合、数兆円規模を投資する計画を説明する見通しだ。
USスチールの買収を巡っては、トランプ大統領が6月5日までに買収の可否を判断するとみられている。日鉄は買収を前提に、生産設備などに27億ドル(約3900億円)を投資する計画を明らかにしており、大幅に増額する見込みだ。
日本側は、自動車や鉄鋼・アルミニウム、「相互関税」の全ての関税撤廃を求めている。対米投資額を増やすことで米国の雇用や製造業の復活に貢献することをアピールし、関税措置の見直しにつなげたい考えだ。
赤沢経済再生相は米国に到着後の23日、記者団に「お互いに合意ができるウィンウィンの関係を目指して精力的に全力で取り組みたい」と述べた。グリア通商代表部(USTR)代表やラトニック商務長官と協議する予定だが、米側交渉団の統括役のベッセント財務長官は欠席する見通しだ。日本側はこれまでの交渉で、米国の貿易赤字の削減に向けてトウモロコシや大豆の輸入拡大のほか、経済安全保障として造船分野での協力を提案した。