福岡・佐賀の「西の都」を日本遺産「候補地域」に格下げ…文化庁、観光客周遊の取り組みなど評価低く
2025年2月4日(火)20時16分 読売新聞
「西の都」構成地域の一つである大宰府政庁跡(2015年、福岡県太宰府市で、読売ヘリから)
文化庁は4日、地域の文化財をストーリー(物語)にまとめて発信する「日本遺産」事業で、「古代日本の『西の都』〜東アジアとの交流拠点〜」(福岡・佐賀県)を、認定後の取り組み不足のため認定地域から除外し、「候補地域」に格下げしたと発表した。認定からの除外は、2015年の制度創設以来初めて。
一方、「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽〜『民の力』で創られ蘇った北の商都〜」(北海道)の新規認定が決まった。
「西の都」は21年度に、認定後の取り組みへの評価から「条件付き認定継続」とされ、今回、同様に「条件付き」とされていた岐阜県、鳥取県、島根県の3件と、新規認定を目指していた「小樽」とともに、「入れ替え」も含めて有識者会議が評価した。その結果、「西の都」は観光客を周遊させる方策の取り組みなどの評価が低かったという。他の「条件付き」3件は、他地域のモデルとなる「重点支援地域」に格上げされた。
「西の都」は今後、日本遺産を対象とした補助金申請ができなくなり、日本遺産のロゴマーク入りのチラシなども新たに作成できない。26年度以降に認定を再申請できる。